毎月好評の連載「生涯現役」。
今回は御年109の書道教師菅谷藍さんに
ご登場いただきました。
───────「今日の注目の人」───
菅谷 藍(書道教師)
───────────────────
──菅谷さんは明治生まれだそうで、
いまおいくつですか。
最近は自分の年齢もよく分から
なくなってね(笑)。
まだ101歳だと思っていたけど、
そんなはずはないぞと。
この間もそんなことを考えておったら、
どうやらこの5月で109歳になるみたい。
──御年百九とはすごいですね。
もうとっくに100を越したわけだけど、
こんなに生きるとは思ってないもんね。
60くらいで死ぬと思ってた。
そのうちに筆もあまり持てなくなるかしらと
思っておったけど、いつまで経っても
一向にお迎えがこない。
しょうがないから、こうしていまも
生きていますよ(笑)。
(中略)
幸い妹の旦那が少しばかり残してくれた
ものがあったので、戦後も生活に
困ることはありませんでした。
私はその間もコツコツ書いていたん
ですけど、そのうちに原稿が売れる
ようになってきたのよ。
原稿料も随分と入ってくるでしょう。
こんないい商売はないと、そんな
ふうに思っていました。
──それだけ評価されていながら、なぜ
道を変えられたのですか?
それが占い師にね、そう言われたの。
──占い師に?
私が尼崎にいた時ですよ。
市場の片隅に「占い」と書かれていた
のがなんとなく気になって入ってみたの。
その方がとても有名な方だというのは後から
知ったのですが、とにかく見てもらった。
すると開口一番、「あなたはね、作家に
なろうと思って一所懸命して
いらっしゃるでしょう。
確かにあなたは文章を書くことは
できるけど、それを仕事として
やるには絶対に向かない。
長続きしません」って言い切られた。
私はびっくりして、「そんな
ことよく言い切れますね」って
ぷんぷん怒ったんです。
「じゃ何をすればいいの」って聞いたら、
「それはもう書き方ですわ」って言う
から、またびっくり。
というのも、書道ほど嫌いなものは他に
ないと思っていたくらいですから。
※109歳の書道教師の波乱の歩みの続きは
本誌でお楽しみください。
『致知』2017年7月号
連載「生涯現役」P106
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!