世のなかには、星の数ほどマンガがある
けど、本当に面白くてためになるのは、
どれ?この本では、マンガの達人
たちが「文学」「職業」「歴
史」「戦争」「科学・
学習」「スポーツ」
などテーマに分けて、100作品を紹介。
教科書よりも深く学校よりも楽しい、
知力アップの最強ガイド!
実際、マンガを読めば、受験勉強から
人生や世の中のことまで、あら
ゆることが学べます。
教科書に載っていることは、
本当にあった事実です。
とはいえ、事実の連続だけだと、
読んでいる人は、興奮しません。
けれども事実を、物語やドラマへと
仕立てると、読む人は感情を
揺さぶられるのです。
ドラマチックな体験のもとに得
た知恵や知識は、読んだ人の
なかに深く残ります。
また、教科書では1行で終わってしまう
ことも、マンガだと何巻も使って
じっくりと説明できます。
なので、マンガを読むことで、ある一部
分にとてもくわしくなることができます。
このように、たくさんの情報量が詰め
込まれているにもかかわらず、マン
ガが文学よりも分かりやすい
のは、なぜなのでしょう。
それは、マンガが「気取らない
文学」だからかも知れません。
僕自身も、子どもの頃からマンガ
をいっぱい読んで育ちました。
通っていた灘高校でも、まわりの同級
生は、みんなマンガが大好き。
授業中なのに、教室の後ろで、
まわし読みをしていました。
でも、先生もマンガの面白さ、大切
さは知っていたみたいです。
日本史の先生なんかは、「俺の本を
読むよりも、マンガを読め」と
いっていたくらいです。
世界最高レベルの作品から学ぶ。
ドラマ性豊かなストーリーマンガのなか
にも、まさに、「学習」すべき知恵と
知識がぎっしり詰まった秀作が
たくさんあります。
たとえば『あさきゆめみし』
で考えてみましょう。
読めば、およそ1000年前に紫式部が書
いた最高傑作『源氏物語』のストー
リーが、すっと頭に入ってきます。
のみならず、華麗な十二単、男女の秘め
事や、人間の感情の機微、平安貴族の
しきたり、当時の日本人の死生観、
果ては人生の孤独についてま
で、さまざまな教養を身
につけることができるのです。
このように、日本のマンガは、ある
意味すべての作品が「学習マン
ガ」でもあります。
『あさきゆめみし』。
大和和紀。
古文の授業より分かりやすい。
日本人としての教養も身につく。
日本における古典文学の最高峰『源氏
物語』をマンガ化したこの作品。
ページをめくると、華麗でドラマチック
な世界が広がります。
古文の授業で『源氏物語』に初めて
触れる方も多いと思います。
でも昔の言葉で書かれていて困った
というとき、是非ともこのマンガ
を手に取っていただきたいです。
とても分かりやすいですから。
佐渡島庸平『人生と勉強に効く
学べるマンガ100冊』(本山勝寛、共著)
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!