今日は、山中伸弥先生が、『致知』に
登場された2016年10月号の対談記事
から、そのエッセンスをご紹介
してみたいと思います。
───────────────────
山中 伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長)
×
兒玉 圭司(スヴェンソン会長)
───────────────────
【山中】
もう一つ、私にとって大きかった
のは母親の教えです。
高校2年生の時に2段になったのですが、
その頃は怪我が多くて、しょっちゅう
捻挫や骨折をしていました。
ある時、教育実習に来られた柔道三段
の大学生の方に稽古をつけてもら
ったことがありましてね。
投げられた時に、私は負けるのが悔し
くて受け身をせずに手をついたんです。
で、腕をボキッと折ってしまった。
その先生は実習に来たその日に生徒を
骨折させたということで、とても
慌てられたと思うんです。
私が病院で治療を終えて帰宅すると、
早速その先生から電話がかかって
きて、母親が出ました。
その時、「申し訳ないです」と謝る先生
に対して、母親は何と言ったか。「い
や、悪いのはうちの息子です。
息子がちゃんと受け身をしなかったから
骨折したに違いないので、気にし
ないでください」と。
当時は反抗期で、よく母親と喧嘩して
いたんですけど、その言葉を聞いて、
我が親ながら立派だなと尊敬
し直しました(笑)。
【兒玉】
素晴らしいお母様ですね。いまはそんな
ことがあると、先生に文句を言いに行
く親が多いですけれども(笑)。
【山中】
それ以来、何か悪いことが起こった時は
「身から出たサビ」、つまり自分のせい
だと考え、反対にいいことが起こっ
た時は「おかげさま」と思う。
この2つを私自身のモットー
にしてきました。
うまくいくと自分が努力をしたからだと
つい思ってしまうものですが、その
割合って実は少ない。
周りの人の支えや助けがあって初めて、
物事はうまくいくんですね。
『致知』2016年10月号
特集「人生の要訣」P10
───────────────────
よりよく生きるヒントを先達の生き方に学ぶ
───────────────────
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!