「人の強みは、仕事で生かされはじめて
組織のミッションと成果の実現に結びつきます」
今回で第3回目となる連載
「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」では、
自らの強みを知り、それを仕事に生かし、
さらに磨くための方法について述べられています。
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佐藤 等(ドラッカー学会理事)
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強みのマネジメントの第一歩は、
強みを発見することです。
美点を凝視することです。
まずは、無意識に発揮している強みに
自ら意識的に目を向けることです。
また同僚や上司に素直に聞くことです。
強みは行動の中に表れますので
他人の目にとまりやすいからです。
強みとは、後天的に習得した能力ではなく、
資質に根ざすものです。その人だけに天が命じた個性です。
たとえば、初対面でもコミュニケーションがとれることと、
継続して人間関係を維持するためのコミュニケーションに
優れていることは別の資質に根ざしています。
これは、コミュニケーション能力向上セミナー
などでは身につかないものです。
自分を知ることはあたかも「自分の取扱い説明書」
を作っていくようなものです。たとえば、
どういう環境でどういうやり方で仕事をするのが
得意なのかを意識して見出していくことです。
第二に行うべきは、意識的に強みを仕事で使うことです。
仕事とは、「なすべきこと」(貢献)を
「できること」(強みや能力)として行うことです。
そこに組織の成果が生まれます。
組織における仕事とは、「やりたいこと」ではなく
「なすべきこと」、すなわち魅力的な製品や
サービスを提供することで人に喜ばれることに貢献することです。
第三に行うべきは、継続的に強みを伸ばすことです。
これにより「なすべきこと」と
「できること」が交わる部分が広がります。
そのための唯一の方法は、
与えられた場で全力を尽くすことです。
命ある限り成長していくと覚悟することです。
困難は、強みを伸ばすために天から与えられた機会です。
『致知』2019年4月号【最新号】
連載「ドラッカーの教え」P110
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!