南シナ海は、地下資源もさることながらイン
ド洋と東シナ海、日本海を結ぶ世界の大動脈。
海洋大国をめざす中国が、南シナ海の覇権
を奪取しようとして、周辺諸国と一触
即発になっている。
「ストラトフォー」地政学チーフアナリスト
のロバート・カプランが、周辺国を歩いて
つぶさに観察し、現地の学者や政治家
に取材して、今後の南シナ海情勢を予測する。
最近になってから本書を読んだ米軍制服組
トップのマーティン・デンプシー統合参謀
本部議長が、「彼のほかの本と同様に
よく書かれており、知的刺激に溢れている。
カプランはインド・太平洋地域における非常
に重要な問題を提起している。本書は世界に
おけるこのきわめて重要な地域をよりよく
理解しようと興味を持つ、いかなる人々
にとっても読む価値のある本だ」
と絶賛している。
南シナ海は、西太平洋とインド洋の「喉」と
して機能している。ここは世界の海上交通
ルートが交差する、経済面でそれぞれを
つなげる役割を果たす器官の集中した場所だ。
南シナ海を実質的に支配できれば、中国は
ほんものの「二正面海軍」、つまり西太平
洋とインド洋で海軍力を発揮できるようになる。
アメリカは西半球を支配しており、しかも東
半球のバランス・オブ・パワーに、影響を与
えられるだけのパワーを持っているため、
世界の平和を維持するだけでなく、国
際貿易の土台となる「海上交通線」
というグローバルな公共財を守っている。
現在、私たちが目にしているグローバル化
というものは、米海軍と空軍の存在がなけ
ればそもそも実現不可能なものである。
実際のところ、アメリカは空軍と海軍のプラ
ットフォームを世界中に派遣していて、これ
がアメリカの外交面での発言に重みを与え
ているのである。そして同時にこれが世
界中の民主制と自由社会を支援するた
めに使われている。このような米軍
のプレゼンスが大幅に減少した世
界を想像してみると、世界、と
くに南シナ海は非常に違った場所に見えてくる。
ロバート・D・カプラン『南シナ海・
中国海洋覇権の野望』
(奥山真司氏・翻訳)
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!