大統領や総理大臣など、ある国の政権中枢
にいる人物が何を考え、国を動かそうと
しているかというのは、第一級のイン
テリジェンスで、これは主として
ヒューミントにより得られる。
ただ伝聞情報もあるので、偽情報を掴ま
される可能性も短所としてある。
知りたいことの95%は「公開情報」
だけで解明できる。
自衛隊で長く情報畑にいた佐藤守男氏は「公開
情報」について、以下のように述べている。
「どのような情報資料であっても、紙背に鋭利
な嗅覚を突き刺すことが大切である。
小さな情報資料の中にも、大きな価値を
見出すことがしばしばである」
「たとえ、消極的・受動的手段であっても、
収集可能な公開情報は何でも集めるという、
迫力に満ちた情報収集努力が、我が国で
は日露戦争以後、伝統的に欠如して
いたように思われる」
軍事インテリジェンスの究極の目的。
1.国家に決定的なダメージを被る情報の入手。
2.自分たちが乗じ得る敵の弱点。
そこを突けば、自軍が勝利する確立
を最大限に高められる。
このようなインテリジェンス入手することが、
情報機関や情報員に課せられた最大の使命。
昔の日本では、高いレベルのインテリジェンス
能力を身につけた「忍者」「草の者」などと、
呼ばれる諜報員たちが走り回っていた。
群雄割拠の世の中で、各大名が激しい
スパイ合戦を繰り広げていた。
国家的なクライシスを迎えた場合、まず
第一にやるべきは情報の収集。
質、量ともに十分な情報がなければ、「次の
一手」について正しい判断や決定はできない。
そもそも国家のインテリジェンス自体、広範
な知恵や知識がなければ成り立たない。
軍事インテリジェンスだけを考えても、
地質学、天文学、気象学、語学など
あらゆる分野の知識が必要。
国民全体の知的レベルが高まれば高まるほど
国家インテリジェンスのレベルが高まる。
♠ヒューミント:人間による情報収集
♣シギント:通信傍受や暗号解読、レーダー、
潜水艦の水中音響情報など、電子信号に
よる情報収集
♠イミント:偵察衛星などによる写真偵察
♣マシント:核爆発の周波数など対象の特徴
を決定づける情報分析
♦ほか、テキント、オシント、コリント、
カウンターインテリジェンス……etc.
外交インテリジェンスで使われるのは、
基本的にヒューミントだけ。
福山隆
『防衛省と外務省:2つの
インテリジェンス組織』
の詳細、amazon購入はこちら↓
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!