3歳、4歳の子供たちが、
大人でも難しい古文・漢文を
すらすらと読んでしまうという
驚きの幼稚園があります。
小泉敏男氏が47年前に創立した
「東京いずみ幼稚園」(東京都足立区)です。
『致知』最新号では、試行錯誤の中から創り
上げた独自の教育カリキュラムで、子供たちの
能力をぐんぐん引き出し伸ばしてきた小泉氏に、
これまでの歩みを辿っていただきながら、
教育者としての思い、これから求められる
幼児教育のあり方について語っていただきました。
本日はその一部をご紹介します。
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「なぜ幼稚園児が難解な古文を読めるのか」
小泉敏男(東京いずみ幼稚園園長 )
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日本語には、他の言語と比べて
同音異義語が非常にたくさんあります。
例えば、「はし」という単語一つにしても、
「箸」「橋」「端」などがあります。
それをひらがなだけで
ただ「はし」と書いて読ませても、
何を意味しているのか分かりません。
「はしのはしをはしをもってあるく」というより、
「橋の端を箸を持って歩く」と読ませたほうが
ずっと読みやすくてイメージもしやすい。
にも拘わらず、子供たちに漢字は難しいと、
ひらがなで読ませているのがいまの国語教育
なのです。これでは子供たちの国語力が
養われないのは当然です。
そうして石井式漢字教育をカリキュラムに
取り入れていったのですが、職員からは
「幼児に漢字なんて」と非難囂々。
親御さんたちからも「こんな先取り教育を
する幼稚園に入れたつもりはない」
など、反対の声が上がりました。
それでも石井式の素晴らしさを確信していた
私は、周囲の理解を得るために、石井先生を
園にお招きした勉強会を開催しました。
その際、
「子供たちの成長のために百%の力を
出している自信はありますか?」
との石井先生の問いに対し、職員が
「大体できていると思います」
と答えたところ、先生は
「大体できているとは何事ですか。
子供たちの未来をお預かりしておいて、そんな
いい加減な思いで仕事をしているのですか」
と強い口調でおっしゃったのです。
さらに続けて、
「もし私の国語教育に誤り、疑念があれば、
報告してください。
教えてくれたあなたにお礼として百万円を差し
上げます」
と。私は改めて石井先生の国語教育への揺るぎ
ない自信と信念、それを真に迫る言葉で職員たち
に真剣に話してくださったことに感動し、
頭が下がる思いでした。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!