アメリカやヨーロッパで近現代史の見直しが
進んでいる。「ヴェノナ文書」や、「リッツ
キドニー文書」といった機密文書の情報
公開などにより、様々な事実が明らか
になってきている。インテリジェ
ンス・ヒストリーと呼ばれる
ジャンルが、これまでの
歴史認識をアップデートしているのである。
一方で、日本人はいまだに従来までの歴史観
にとらわれている。かつて学校教育で教えら
れてきた第二次大戦や近現代史は、時代遅
れになりつつある。新たな事実が次々と
判明して、近現代史が見直されてきている。
欧米各国において、日本と軍事協力を進める
ことが、インド太平洋諸国の安定と平和につ
ながる、という考えが大きくなっている。
近現代史見直しの背景には、東西冷戦の終結
と、ソ連邦の解体がある。もう一つの要因は、
1995年を契機に欧米が第二次大戦の機密
文書を公開したことにある。
中欧、東欧諸国では、共産党政権時代やソ連軍
の占領時代に、人権侵害に苦しんできた人々
から聞き取り調査を進めている。関連の
証拠や文書を集め、出版して、博物館
に展示するという、地道な作業を続けている。
1995年、アメリカでは「ヴェノナ文書」が公開
された。陸軍情報部が、ソ連と米国内のスパイ
との暗号電報を傍受&分析したものだ。
この公開は衝撃的だった。
ヴェノナ文書の公開により、第二次大戦中の
ルーズベルト民主党政権内部に、入り込んで
いたソ連のスパイたちが、アジアと東欧
をソ連に譲り渡したことが判明した。
近現代史は、アップデートされている。イン
テリジェンス・ヒストリーという学問がイギ
リスなどで広がっている。秘密工作が外交
や国際政治にいかなる影響を与える
かを研究するものだ。
近現代史に関するグローバル・トレンドを
きちんと理解しないと、現在の国際社会の
激動を正確に理解できない。これらを
学び、世界でしたたかに生き抜いていきたい。
ソ連の崩壊後、以下の国々は、第二次大戦中と
その後におけるソ連の残虐な侵略と占領を一斉
に告発し始めた。その国は、ポーランド、
ハンガリー、チェコ、リトアニア、
ラトビア、エストニアなど。
日本人が見逃している歴史認識の一つは、第二次
大戦において、ソ連は当初から「侵略国家」と
して非難されていた、という事実。
国際社会は、妥協と裏切りの歴史である。残念
ながら、信義よりも力関係がモノを言う。
ポーランドは今、ソ連とナチスドイツによって、
いかに酷い仕打ちを受けてきたのか、各地に
戦争博物館をつくり、自国民にその悲劇
の歴史を懸命に伝えようとしている。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!