「電力業界」は許認可権をにぎる「官僚」
に弱い。「官僚」は人事権をにぎる「政
治家」に弱い。だから、「電力業界」
は、カネと票で「政治家」に近づ
く。政官業の三角関係の中で
利権が生みだされていく。
電力業界の原発利権は、長い間、
ベールに包まれていた。
検察や国税当局は過去10年あまり、業界トップ
の東京電力が絡む裏資金の流れに何度も注目
した経緯がある。だが、その壁を突破す
るのは容易ではなかった。
長年の膠着状態を変えたのは、2011年
3月11日の原発事故だった。
原発の裏仕事に従事していた東電やゼネ
コンの関係者のなかで、口を開く人が
出始めたのだ。未曾有の事故をきっ
かけに、裏仕事の実態を世間に
明かすべきだと考える人が出てきた。
日本の原発が発展してきた裏側には、
数多くの闇が存在していた。
地域独占という事業形態を利用して吸い
上げてきた電気料金を、電力各社は原発
の裏仕事である「地元対策」や「政界
工作」にも使ってきた。
九州における九州電力の存在感は、首都圏
における東京電力、関西圏における関西
電力のそれを凌駕する。
売上高は九州一。
九電のライバルは皆無。地元経済の
生殺与奪の権を握っている。
潤沢な資金を利用し、地元国会議員、県
知事ら政治家の選挙資金を用立て、選
挙を支援し、手なずける。
カネと政治力で、政財界、自治体をコント
ロールし、原発反対論を押し切る。
九州が「原発復権」の突破口として最有力
となったのは、九電の圧倒的な「地元
掌握力」と無縁ではない。
市田隆『原発利権を追う。電力を
めぐるカネと権力の構造』
の詳細、amazon購入はこちら↓
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!