「生か死か」―私を捉えて離さない
“血界”を自ら破らなければならない。
「純血と家名」の地シシリアで生まれ70
年代のNYで叔父が所属するマフィアの
世界に育った私は、やがて武器と
麻薬の等価交換に触れる。
「殺しの軍団」の元会長の縁などで日
本に渡り、西海家総連合会系組員
となり佐川急便事件などバブ
ルの経済事件に関与。
その後、五代目山口組三代目山健組系
組員の盃を呑み暴力の儚くも
悲しい現実を知る。
私の人生は喪失の歴史である。
私は私が「誰か」ということを
誰にも話したことはない。
私の名前が他者の助けに
なったことも多くある。
「マリオの友人」という言葉が、どんな
警備会社にも提供できないセキュリ
ティを実現するからだ。
私は、決して貧しい人々や弱い
人々を攻撃したことはない。
弱い人々を常に助けてきた自信もある。
どんな高名な政治家でもマフィアも顔を
背けるほどダーティーな人間もいれば、
高潔で豊かな情を持ったヤクザ
組織の大親分もいる。
「生きるか死ぬか」─二者択一の世界に
生きてきた私とって人の価値もまた、
「愛するに値するか否か」と
いうことでしかない。
CIAが御用達にしている銀行に、持ち株
会社をルクセンブルクと、ケイマン諸
島に登記し、イギリスのシティ・オ
ブ・ロンドンに本店を構えるBCCIがあった。
イラン・コントラゲート事件において
麻薬と武器の取引で得た金を、コーザ
・ノストラはBCCIを経由して資金
洗浄し、アンブロシアーノ銀行
に送金していたのだ。
カショギがイラン・コントラ・ゲート
事件において、BCCIを金融機関と
して使っていたことは言うまでもない。
父は当時の東西冷戦という、世界を「分
断」する規制を軸に商売をしていた。
禁酒法、麻薬でも明らかなよう
に「規制」は金を生む。
麻薬を扱わない父が扱っていたのが
「マネー」そのもので、父はマネー
ロンダリングを行っていたのだ。
冷戦下の世界でもソ連や東欧の中央銀行
はアメリカに資産を置いていた。
石油、穀物、武器など世界では、基軸
通貨のドルでなければ取引できない
戦略物資が多く存在するからだ。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝