「管理職として財務に強くなりたい」「取引先
の会社が危ないといわれ始めた」「株式投資に
興味がある」「就職が目の前に迫った」──。
決算書に目がいくのは、人それぞれ、いろいろ
なきっかけがあるもの。そして、「会計の知識
があればいいのになぁ……」と、一度や二度
は感じている人が多いはずである。
そうした人のために、「会計知識へのあこがれ」
を「身近で役立つ武器」へ変えるお手伝いを
するのが本書なのだ。
「なぜ太平洋戦争が始まったか」という質問に
対して多くの人がいろいろな立場で意見を
おっしゃっている。会計士の立場で
個人的な見解を申し上げる
なら、「石油を止められたから」
という理由のほかに、それ以前から
慢性的に続いていた陸軍と海軍の予算
分捕り合戦と、それに伴う政治的混乱」も
大きな要因の一つであったと思う。
予算はとても重要だ。国政にも、金はかかる。
家計だろうと企業だろうと国家だろうと、そ
の命運を握っているのは、詰まるところ
「兵糧」だ。つまり「モノ」「カネ」だ。
手持ちのお金をいかに配分し、どこで回収するか
といった絵図面をきちんと描けるかどうか。
それが会計センスがあるかないかの分かれ目になる。
会計とは、つまるところ次の2つの局面で生かす
技術だ。
1.予算の作成。
(事業のスタートからゴールまでの資金配分)
2.実績の集計と分析
(決算)
国家も企業も家計の運営も、
1.予算
2.決算
3.次の予算
4.次の決算
‥‥‥
の繰り返しのなかで延々と続いていく営みなのだ。
決算がわかれば、そのノウハウを予算の作成に
生かすことができる。だから会計知識である、
決算の知識と決算書を読む技術は、社会人
はもちろん、次の日本を背負っていく
若者や子どもたちにも、「生きる
ための知のインフラ」として
ぜひ等しく身につけていただきたいと願う。
企業分析の9割は、バランスシートと損益
計算書をみることでカバーできる。残りの
1割を補完的にキャッシュフロー計算書
で確認し、不正や資金繰り破綻のサイ
ンを見つけられれば、さらに万全だ。
売掛金による後払い分があれば、
営業収入はダウンする。
税金や利息の支払も営業活動の1つ。
総合的な稼ぐ力を示すのが経常利益。プラス
なのはもちろん、伸びいていることが大切。
鉄道業の資産の9割は固定資産である。
また、過去の決算書のデータをもとにしながら、
5年後、7年後のバランスシートを描く方法も
紹介している。これができれば、会社に
とって最も重要な純資産が、将来どれ
だけ増えるのかがわかるようなる。
すると、会社の株価がどれだけ
上昇するのかも計算ができる
ようにもなり、投資家は投資を
判断する際の強力な武器を手にすることができる。
柴山政行 (著)『決算書の読み方』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!