世界の経済が、密接につながりあう
現代において、国家財政破綻は、
もう「対岸の火事」ではありません。
いざ、それが降りかかってきたとき、
はたして自分は冷静に対処すること
ができるのか、はなはだ不安です。
その要因を探ると同時に、破綻の根底を
成している「変わらない人間の欲望」
を自戒するための書籍でもある。
デトロイト、2013年。アメリカ
自治体史上、最大の財政破綻。
2013年7月18日、アメリカ中央北東部
の大都市デトロイトがついに破綻した。
20世紀のアメリカを代表
する街デトロイト。
経済と文化の中心を一手に担ったかつて
の“黄金都市”は、多くの人が気がつか
ない間に、破綻に追い込まれる
までに凋落していたのだ。
「松方デフレ」の再検証。
最後に、日本で過去にあった「松方デフ
レ」と呼ばれるものを、ここで
あえて見直してみたい。
日本は過去に何度も歴史的デフレやイン
フレに陥ってきたが、その中でも、18
82年頃から始まった「松方デフレ」
は、日本におけるひとつの
歴史的教訓に思える。
明治時代に起きたこのデフレは、日本最後
の内戦とされる西南戦争に端を発している。
お金を刷りまくれば貨幣の価値は当然
下がるため、その後に待っていた
のは、極端な物価の高騰、つ
まり急激なインフレだ。
この後、インフレの収束を図るため、デ
フレ誘導の財政政策をとったのが
松方正義であった。
世界を実際に見て回って僕が感じている
のは、21世紀初頭の現在、人類はふた
つの敵と戦っているということだ。
ひとつは、テクノロジーだ。
つい数年前まで、効率的な投資先を目
指して、多くの人たちは情報をいち
早く入手し、いち早く投資をしてきた。
このようなテクノロジーによって、中間
層と呼ばれていた先進国の大多数は貧困
に向かい、プルトクラート(超富裕層)
と呼ばれる、世界の0.01%の人と、
そうではない人にはっきり分
かれることになる。
四半世紀を通じて、さまざまな国家破綻
を目の当たりにしてきたが、ずるずる
と欲望や時の流れに身を任せていた
人々は淘汰されることになった。
それとは逆に、今までの暮らし向き
を瞬時に切り替えた人々は、大きな
時代の渦に巻き込まれることなく、
粛々と生活を続けることがで
きているように思う。
常に自分を見失わず、自分なりの「異変」
を感じたら、誰に何と言われようが、
即座に変わり身すること。
大きな社会変化が差し迫った時代
の中で、生き延びる秘訣はそれに
尽きると、僕は思っている。
高城剛『世界はすでに破綻しているのか』
の詳細、amazon購入はこちら↓
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!