最後の敵は皮肉にも盟友・西郷隆盛だった。大久保が西郷
を殺してまでもやり遂げたこととは? 幕末の動乱から
明治国家の成立まで–「未来への意思」を
貫いた男の真実を描く快作!
討幕を成し遂げてからが、大久保の本当の闘いだった。
幕末の政治家の誰もが、あるべき国家の理想を
共有していた。強い政府を作り、全国から
税を一斉に集め、日本国としての軍隊
を作る。「政令一途」と「富国強兵」である。
だが、問題はその正論を誰がどうやるかだった。
それをやり切ったのが、大久保利通だった。
世界史の奇跡といわれる明治維新を成し遂げたのは、
大久保利通なのである。大久保は、いかなる手段
を使ってでも己の意思を実現する現実主義者
である。絶対に、政治に幻想を持ち込まない。
同時にまた、理想を見失わない理想主義者でもある。
あまりにも月並みな言い方だが、現代日本に
もっとも蘇ってほしい政治家だ。
大久保は常に沈着冷静、私心がない男だった。だが、
西郷に関することだけは激情を爆発させた。
一番大切な仲間だからだ。
井伊直弼は、彦根藩第11代藩主・井伊直中の
十四男に生まれ、部屋住みの身だった。
その間に奥義を極めたのが、居合術・禅・茶道である。
禅では悟道の域に達したといわれた。井伊は無駄に軋轢を
起こさない、やらなくていい戦はしないと考えていた。
大久保の生涯の盟友となったのが、岩倉具視である。
確かに、徳川慶喜は、大久保よりすべての面に
おいて優れていた。しかし、一つだけ欠け
ていた。「未来への意思」である。
慶喜を倒し、日本を守る。大久保の
強固な意思が、時代を突き動かした。
倉山満『大久保利通。日本史上最高の英雄』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!