世界各国の税収が極端に減少している。税金は
表の経済にしか、かけられないからだ。タック
スヘイブン(租税回避地)やシャドーバンキン
グ(影の銀行)を使った、いわゆる脱税や
資産隠し、麻薬や売春や賭博によっ
て生まれ蓄えられた金をアング
ラマネーと呼ぶ。
世界の年間総生産70兆ドルの約25%がタックス
ヘイブンに流れ、シャドーバンキングの規模は
約67兆ドルにまで拡大。もはや中央銀行や
IMFも制御できない闇資金の還流が世界
経済を揺さぶっている。
その歴史と仕組み、各国最新事情を詳細に
解説した画期的な書!! 本書は世界経済を
裏側から見てみようという試みである。
アングラマネーとタックスヘイブンという
2つの存在を通して、世界経済の実体
に近づいてみたいと思う。
「裏の経済」を見るというアプローチによって、
「表の経済」だけを見ていてはわからない、世
界経済の真実の姿が見えてくるはずである。
筆者は、長い間、アンダーグランド・エコノ
ミー(地下経済)に興味を持ってきた。
何事においても、表と裏は一体である。
裏のない表はなく、表のない裏もない。
本書は、脱税、資産隠し、そしてアングラ
マネーの還流などの仕組みそのものに、ス
ポットライトを当てるものである。
筆者は1982年から会員制の国際経済情報誌
を在米ユダヤ人の協力を得ながら、30年以
上にわたって発行し続けている。仕事の
関係上、裏経済の情報に接することが多い。
街金が高度経済成長を支えた。
何が何でも規則通り、100%法律通りに
税金を徴収しようというのでは、庶民は
息苦しくなってしまう。特に、そんな
ことでは中小企業はなかなか育たない。
今日でこそ違ってきたが、かつては中小
企業の経営は、概ねドンブリ勘定であっ
た。ある程度の税金上のお目こぼしが、
中小零細企業に活力を与えていたのだ。
大事なのは、バランスに尽きる。
藤井厳喜『アングラマネー:タックス
ヘイブンから見た世界経済入門』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!