1 難病ギラン・バレー症候群との闘い
2 今日の「一日一言」/出合い
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1 難病ギラン・バレー症候群との闘い
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たむら あやこ(漫画家)
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年間10万人に一人か二人が発症すると
いう難病・ギラン・バレー症候群。
漫画家たむらあやこさんは、22歳に
して罹患し、想像を絶する病苦
を乗り越えてきました。
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ある朝、看護師さんが私の身体を
拭きに来て、いつものように身体
を起こすために脇に手を入れ
た、その瞬間でした。
皮が裂けたところを、焼酎のついた
手でグウッと触られるような痛
みに襲われたんですよ。
──あぁ、遂に痛みが……。
ええ。それからですね、体験したこと
のない痛みに襲われ続けたのは。
例えば、骨から身が裂けていくような
痛みや、爪がミリミリと剥がれていく
ような感じとか、刺さりながら身体
全体が捻られるような痛みが24
時間、間断なく続くんですよ。
──どれくらいの期間、その痛み
が続いたのですか?
6年くらいですね。
特に最初の2年は激烈で、寝ること
が全くできないばかりか、食
べることもできない。
おかげで67キロあった体重がみる
みる37キロまで落ちました。
尋常じゃない痛みの連続で、もう本当
に狂いたかったですけど、発症後しば
らくはじっと耐えていました。
治ったら復帰するつもりだったので、
しょうもない姿を晒したくない
と思っていたんです。
でも、それも3か月が限界でしたね。
治療法もなく、いつこの痛みが
引くのかも分からない。
精神的に耐えられなくなって、それ
からは痛みに任せて声を上げて
騒いでいました。
おそらく、身体が麻痺していなかった
ら、自殺していたと思うんですよ。
──本当によく耐えられましたね。
6年目に入ってようやく食べられる
ようになって、何時間か眠れる
ようになったんですよ。
そうなると、それまでずっと「痛い」
「辛い」しか考えることができ
なかったのが、普通でいら
れることのありがたさ
を実感するようになりましたね。
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いまも後遺症と闘いながら漫画家
の道を歩み続けるたむらさん。
大病したことで得た気づきが、自分
の支えになっているというお話
はとても感動的です。
『致知』2018年9月号【最新号】
「大病を乗り越えて見えて
きたもの」P46
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2 今日の「一日一言」/出会い
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すべては出会いである川も出会い
の喜びに音をたてて流れていく
その川のべに立っているとわたし
は師にめぐりあった喜びを川
と共に語りたくなる
『坂村真民 一日一言』
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝