女性の力によってしか男は輝くことはできない 第 946 号

 「源氏物語」を男が読まずして

どうしますか?

 境野勝悟先生は『源氏物語』を地元・

大磯の地域の方々を対象に約40年

にわたり講義をされています。

 「とにかく大磯では受講生が辞めない。

 40年もやっていると調子が悪くなって

入院する人もいるけれど、講義の日

は病院からでもやってくる (笑)」

 境野先生はそう言って笑われますが、

そこまで受講生を引きつけてやまな

「境野源氏の魅力」とは……?

 このたび、その境野先生による『源氏

物語』の連続古典講座が一冊の本

になりました。

 境野先生の古典セミナーといえば、その

軽妙洒脱な語り口こそが最大の魅力。

 読者の皆さまにも、その一端を

味わっていただきましょう。

      * *

 ちょっと関心のある人でも「『源氏

物語』は女の物語でしょう」と

いう風に思って読まない。

 『源氏物語』というと、すぐ色恋の、

色好みの書になっているでしょう。

 その解説を読むと「源氏の次の

不倫の相手は誰々です。

 その次の不倫の相手は……」

 などと書いてあるのもある。

 『源氏物語』は不倫の書と思って我々は

読む気にならないんだな、当たり前だよ。

 そりゃ皆さんが悪いんじゃない。

 そういう風な見方しかしない

人たちが悪い。

 『源氏物語』は不倫物語じゃない。

 「源氏」というのは男でしょう。

 だから源氏という「男の物語」。

 そう書いてあるのに、なんで「女の物語」

なんて言うんですか、「あれは女の読

むもんだ」なんて言うんですか。

 冗談言っちゃ困る。

 光源氏、源氏さんというのは

男として光ったんだ。

 その源氏が何によって光ったか、それ

を書いた物語が『源氏物語』だ。

 だから主人公の名を「光

源氏」というんだ。

 男が男として光るにはどう

したらいいのか。

 さっきも申し上げましたように、男は

女性によってしか輝くことはできない。

 女性の力によってしか男は

輝くことはできない。

 そのことを書いた物語が

「光『源氏物語』」だ。

 男が読まずしてどうしますか。

      * *

 <受講生の声>

 「訳文を読んだだけでは分からない当時

の時代背景を境野先生が丁寧に解説くだ

さって、毎回『ああ、そうだったのか』

という気づきがあります。

 やっぱり日本人は日本の古典に触れ

ると、心が豊かになります」

 「この物語には悪人が出てきません。

例えば、生霊になってしまう六条

御息所にも理由があって、

本人も苦悩している。

 その心理的な描写を境野先生が

詳しく解説してくれます」

 「境野先生は『源氏物語』の原文は日本

人にしか味わえない情感があると

おっしゃいます。

 日本人であれば、ぜひ『源氏物語』の

世界観を味わってもらいたいです。

 そうじゃないと、もったい

ないと思います」

 “博多の歴女”白駒妃登美さんも受講生

として参加された本講座。

 『源氏物語』は決して女性だけの

読み物ではない。

 そこに描かれた人間の真実の姿と愛の

本質を学ぶことで、男は磨かれ、

女は輝きを放つ!

 まさに人間学の最高峰が、ここにある」

と白駒さんも推薦される一冊。

 全5講、総ページ数350ページを超える

読み応えたっぷりの一冊。

 『源氏物語』を初めて学ぶ方にも

ぜひおすすめします。

…………………………………………………

40年間、受講生がやめない大人気古典講座

  『「源氏物語」に学ぶ人間学』

            境野勝悟 (著)

         定価=本体2,300円+税

…………………………………………………

今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝

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