全国にいらっしゃる読者の数だけ、『致知』
にまつわる様々な物語が存在します。
本日は、『致知』を通じて心の根っこ
を育ててこられた読者の物語を
お伝えします。
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越後久美子
(ママたちの居場所「来mama
(きまま)ルーム」主宰)
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昨年7月、私は第三子となる
長女を出産しました。
産後まもなく、娘の心臓に雑音がある
とのことで大きな病院で検査した
ところ、21番目の染色体が
一本多い21トリソミー、
つまりダウン症候
群であることが判明しました。
生まれてきた我が子に障碍があると知り、
悲しまない親はいないでしょう。
私もしばし悲嘆に暮れた
日々を送っていました。
そんなある日、致知出版社から
一本の電話が入りました。
妊娠中に私が応募した短歌が
入賞したとのことでした。
35周年記念パーティーに招待して
いただけるとのことでしたが、私
はすぐにお断りしました。
生後一か月半の母乳っ子の娘を連れて
上京することなど到底できない
と考えたのです。
しかし、そこでふと思いました。
できないと決めつけている
のは自分ではないのかと。
そして、これからも事あるごとに娘の
障碍を言い訳に、自分のやりたいこと
をやらずに過ごしてしまうので
はないかと思いました。
また、そんなことを繰り返すうちに、娘
に辛くあたったり、娘の存在を疎まし
く思うようになってしまったり
さえするのではないかとも思いました。
そこで私は思い切って、娘を連れて授賞
式に出たいと夫や主治医に相談しました。
すると、娘の状態が良かったことから、
意外にすんなりと快諾を得ることが
でき、無事パーティーに出席す
ることができたのです。
私が『致知』を購読するようになって
からまだ2年あまりですが、誌上で
たくさんの方と出逢い、多く
のことを学びました。
今回長女がダウン症児として生まれてきて
くれたことは、これまで『致知』で学ん
だことを実際に生かすためとも思え
るまでに、いまは前向きに娘の
障碍を受け入れることがで
きるようになりました。
「致知読んで先人の苦労に感動し
我が身と比べ慢心を知る」
これが賞をいただいた私の短歌です。
娘よ、私たちのもとに生まれてきて
くれて本当にありがとう!
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※まもなく、最新号(7月号)
が発刊されます。
特集テーマは「人間の花」。味わい
深い記事が満載ですので、どうぞ
楽しみにお待ちください。
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豊かな人生を生きる道しるべ、
月刊誌『致知』
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『致知』2014年9月号
連載「致知と私」P76
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝