嫌われながら連綿と芸を継承してきたのだと思います 第 2,429 号

シテ方宝生流能楽師として、
能楽がもとより、
日本の芸術文化の可能性を
追求し続ける辰巳満次郎さん。

辰巳さんが師匠の父親(孝さん)から
学んだ指導の極意を語っていただきました。

─────────────────

(――お父様から学ばれたことは何ですか。)

(辰巳) 
すべてを教えないこと。
十のものを八だけ教えて、
後の二は考えさせるということです。

すべて教えてしまうと、
教わったことしかできなくなります。
能に限った話ではないと思いますが、自分で
考えるプロセスを積ませないとやっぱりダメ
ですし、失敗も少しはさせなきゃいけない。

ちょっとできるようになると生意気になって、
自分の流儀でやろうとするものです。
けれどもしばらくして、
これはやっぱりやらないほうがいいんだと
分かってくる。


そうした失敗を経験せずに、
教わったことをただ鵜(う)呑(の)みにして
やってるだけではダメなんですね。
すべてを教えないことの大切さを
本当に実感するようになったのは、
ようやく50くらいになってからでした。

子供の頃は、厳しい父が
早くいなくなりゃいいと思っていましたけど、
父は息子の知らないところで
そうした様々なことを考えて
僕を導いてくれていたんです。
もう亡くなって20年近くになりますけど、
40代ぐらいになると
父の思いも少しは分かるようになって、
いつまでも生きていてほしいと願ったものです。

ですから僕は、息子を自信を持って厳しく
鍛えました。

嫌われたほうがいいくらいの気持ちで
真剣に向き合ってきましたけど、
それこそが愛情なんですね。
先人は皆そうやって、嫌われながら連綿と
芸を継承してきたのだと思います。

致知出版社の人間力メルマガ

  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

スポンサードリンク

♥こちら噂の話題満載情報♥

ぜひ、いいね!を「ぽちっ」とお願いします

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください