92歳もいまも子供たちに算数の楽しさを教え
続ける東京都国分寺市在住の片桐重男さん。
長年の指導経験に培われた指導論に
耳を傾けてみてください。
───────「今日の注目の人」───
片桐 重男(新算数教育研究会名誉会長)
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──子供たちに指導する上で心掛けておられる
ことはありますか。
それはひと言で言えば、人間愛に
基づく指導ですね。
──人間愛に基づく指導。
僕が思うに、教育というのは単に頭から教え
込むのではなく、子供がこういうことを教
わりたいなという状態にもっていって
初めて教えてあげることが大切で、
そうしないと教わることの本当の価値が
分からなくなってしまう。
子供たちが自分の力でこの問題を解きたい
とか、自分で問題を見つけるような経験を
まず持たせることが大切で、そうなる
と当然失敗することもある。
その時に失敗を責めるのではなく、間違っ
ていることに気づかせて、「こうしたら
どうだろうか」と導いていく。
そうやって子供の考え方を活かす方法で
学習を進めることが根本です。
それが人間愛なんです。
──教え込むというのは、人間愛の対極に
あるというわけですね。
教え込むっていうのは、要は
過保護なのです。
子供が助けてほしいと思わない
うちに助けちゃう。
それが教え込みでしょう。
それともう一つ気をつけなければ
いけないのが無視ですね。
一つのクラスに子供がたくさんいるので、
当然考え方もそれぞれ違ってくる。
そうなると、時にはある考えをしている
子供に気づかないか、もしくは気づいて
いても授業の進行を優先して
その子供を無視する。
これはやむを得ない場合もあるでしょう
が、この無視も人間愛じゃないんです。
もっとも…
※子供たちのみならず、先生方にも指導の
在り方を伝え続ける片桐さんの活動に
ついては本誌でお楽しみください。
『致知』2017年8月号【最新号】
連載「生涯現役」P102
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!