学び続けなければ患者さんを救えません 第 672 号

 肝臓外科の世界的権威として知られ、70歳を

越えたいまも、患者さんを救うために

執刀を続ける幕内雅敏さん。

 そのお話から、仕事に徹しきって

こられたことが伝わってきます。

───────「今日の注目の人」───

幕内 雅敏(外科医)
   
───────────────────

──幕内先生は今年3月末まで院長を務められて

いた日本赤十字社医療センターにおいて、

70歳を超えてなお現役の肝臓外科医

として多くの患者さんを救って

こられたとお伺いしています。

 4月からは東和病院の院長に就任しましたが、

医者としての日常は、いままでどおり

やっているだけですよ。

 ただ、70歳にもなると多少は体力が落ちて

くるから、長い手術は無理をしてやらない。

 例えば、4、5時間やったら水分を摂って

15分くらい横になってからまた始める。

 そうしないと途中で僕がへばってしまって、

患者さんに迷惑を掛けかねないからね。

──最近ではどれくらいの頻度で

手術をされていたのですか?

 日赤では月・水・金の週3日

 東京大学で教授をやっていた頃に、年300例

近くやっていたのに比べれば随分減ったけど、

院長としての仕事との兼ね合いもあるし、

海外で講演を頼まれることも結構多くてね。

(中略)

──それだけご自身のお仕事に

徹しておられると。

 僕のモットーは365日24時間、医者であれ。

 これは外科医の宿命です

 僕らは患者さんを助けるために仕事をして

いるのであって、そのために患者さんの

ことを常に考えるのが当然でしょう。

 別に宗教に入っているわけじゃないけど、

祈りと信仰の日々と言ってもいい。

 それに医学の世界は日進月歩ですから、学び

続けなければ患者さんを救えません。

 僕は30年以上にわたって詳細な手術記録

を残し、折に触れて見直してきました。

 学会に参加して新しいことを取り入れ、

最新の論文に目をとおすなど常に

勉強を怠らなかった。

 その積み重ねが明日の患者さんを

救うことになるんです。

──ではこれからもその思いで、

挑戦し続けられると。

 どこまで続けられるか分かりませんけど……

 ※世界基準の仕事をしてこられた

幕内さんの歩みは本誌でどうぞ!

 『致知』2017年6月号

         特集「寧静致遠」P40

今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。感謝!

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