肝臓外科の世界的権威として知られ、70歳を
越えたいまも、患者さんを救うために
執刀を続ける幕内雅敏さん。
そのお話から、仕事に徹しきって
こられたことが伝わってきます。
───────「今日の注目の人」───
幕内 雅敏(外科医)
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──幕内先生は今年3月末まで院長を務められて
いた日本赤十字社医療センターにおいて、
70歳を超えてなお現役の肝臓外科医
として多くの患者さんを救って
こられたとお伺いしています。
4月からは東和病院の院長に就任しましたが、
医者としての日常は、いままでどおり
やっているだけですよ。
ただ、70歳にもなると多少は体力が落ちて
くるから、長い手術は無理をしてやらない。
例えば、4、5時間やったら水分を摂って
15分くらい横になってからまた始める。
そうしないと途中で僕がへばってしまって、
患者さんに迷惑を掛けかねないからね。
──最近ではどれくらいの頻度で
手術をされていたのですか?
日赤では月・水・金の週3日。
東京大学で教授をやっていた頃に、年300例
近くやっていたのに比べれば随分減ったけど、
院長としての仕事との兼ね合いもあるし、
海外で講演を頼まれることも結構多くてね。
(中略)
──それだけご自身のお仕事に
徹しておられると。
僕のモットーは365日24時間、医者であれ。
これは外科医の宿命です。
僕らは患者さんを助けるために仕事をして
いるのであって、そのために患者さんの
ことを常に考えるのが当然でしょう。
別に宗教に入っているわけじゃないけど、
祈りと信仰の日々と言ってもいい。
それに医学の世界は日進月歩ですから、学び
続けなければ患者さんを救えません。
僕は30年以上にわたって詳細な手術記録
を残し、折に触れて見直してきました。
学会に参加して新しいことを取り入れ、
最新の論文に目をとおすなど常に
勉強を怠らなかった。
その積み重ねが明日の患者さんを
救うことになるんです。
──ではこれからもその思いで、
挑戦し続けられると。
どこまで続けられるか分かりませんけど……
※世界基準の仕事をしてこられた
幕内さんの歩みは本誌でどうぞ!
『致知』2017年6月号
特集「寧静致遠」P40
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!