小さなミスにも真摯に受け止め.努力を積み重ねる 第 991 号

 世界最短でミシュラン三つ星を獲得し、

天才シェフとも称されるHAJIME

オーナーシェフ・米田肇さん。

 「一流料理人になる」という夢を誰より

も本気で追いかけてきた米田さんの

言葉には、重みがあります。

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 米田 肇(HAJIMEオーナーシェフ)

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──三つ星を取れる人とそうでない人

の差は何だと思われますか?

 皆が頂点を目指して頑張っている中で、

細部にまでとことんこだわれるかが

分かれ目だと思います。

 よくスタッフが「ちょっと火を通し過ぎ

たと思うんですが、どうですか?」って

聞きに来るんですけど、味見をする

と全然ちょっとじゃないんです。

 病院の先生でも、体温がたった0・02度

上がっただけで大ごとだと捉える方が

いますが、そうした微差を追求で

きる人が特出できるのだと思います。

 料理の世界ではその差が品質管理

にものすごく影響します。

 よく器用なほうがいいですか?という

質問を受けますが、器用であったほう

がいいですけど、それ以上に日々

の努力を積み重ねられる人

のほうが成長します。

 そのためには小さなミスにも真摯

に向き合う姿勢が大事ですね。

──ミスを真摯に受け止め、

努力を積み重ねる。

 私は一流プロの条件は二つあると思って

いて、一つは高品質な仕事をすること。

 そしてもう一つはそれを継続

して行うことです。

(中略)

 今回のテーマは「本気 本腰 本物」だ

そうですが、本気とは、自分で勝手に

決めてしまっている限界を越える

ことだと思います。

 車のリミッターと同じで、本当は300キロ

出せるエンジンがついているのに、180

キロまでしか出せない設定にしている。

 そのリミッターをカットし、真の

力を出すには本気になって

打ち込むのみです。

 本腰とはすべての責任を背負う覚悟。

 いつも逃げ腰で、人のせいにするような

中途半端な人間は成長できません。

 そして本物とは、ぶれない

中心軸を持つこと。

 時代や流行はどんどん変わりますが、

本筋って意外と変わっていなくて、

それに気づける人が本物でしょう。

『致知』2018年4月号

          特集「本気・本腰・本物」P58

今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝

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