世界最短でミシュラン三つ星を獲得し、
天才シェフとも称されるHAJIME
オーナーシェフ・米田肇さん。
「一流料理人になる」という夢を誰より
も本気で追いかけてきた米田さんの
言葉には、重みがあります。
─────────────────
米田 肇(HAJIMEオーナーシェフ)
─────────────────
──三つ星を取れる人とそうでない人
の差は何だと思われますか?
皆が頂点を目指して頑張っている中で、
細部にまでとことんこだわれるかが
分かれ目だと思います。
よくスタッフが「ちょっと火を通し過ぎ
たと思うんですが、どうですか?」って
聞きに来るんですけど、味見をする
と全然ちょっとじゃないんです。
病院の先生でも、体温がたった0・02度
上がっただけで大ごとだと捉える方が
いますが、そうした微差を追求で
きる人が特出できるのだと思います。
料理の世界ではその差が品質管理
にものすごく影響します。
よく器用なほうがいいですか?という
質問を受けますが、器用であったほう
がいいですけど、それ以上に日々
の努力を積み重ねられる人
のほうが成長します。
そのためには小さなミスにも真摯
に向き合う姿勢が大事ですね。
──ミスを真摯に受け止め、
努力を積み重ねる。
私は一流プロの条件は二つあると思って
いて、一つは高品質な仕事をすること。
そしてもう一つはそれを継続
して行うことです。
(中略)
今回のテーマは「本気 本腰 本物」だ
そうですが、本気とは、自分で勝手に
決めてしまっている限界を越える
ことだと思います。
車のリミッターと同じで、本当は300キロ
出せるエンジンがついているのに、180
キロまでしか出せない設定にしている。
そのリミッターをカットし、真の
力を出すには本気になって
打ち込むのみです。
本腰とはすべての責任を背負う覚悟。
いつも逃げ腰で、人のせいにするような
中途半端な人間は成長できません。
そして本物とは、ぶれない
中心軸を持つこと。
時代や流行はどんどん変わりますが、
本筋って意外と変わっていなくて、
それに気づける人が本物でしょう。
『致知』2018年4月号
特集「本気・本腰・本物」P58
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝