「世界が尊敬する日本人100人」(日本版
『Newsweek』)に選ばれたタフ・ネゴ
シエイターが明かす国際交渉の真実。
堂々と渡り合い、交渉でイニシア
ティブをとるためのヒントが満載。
私は20年も長きにわたり国際交渉のただ
中にあって、その前線で仕事をしてきた。
多くの上司に恵まれてきた。
1985年から、私はアメリカとの
日米漁業交渉の担当になった。
水産庁長官や水産庁次長といった当時の
百戦錬磨の諸先輩方の交渉ぶりを見た
り、同席したりして、私は国際
交渉のやり方を実地に身につけた。
日々の仕事の中で、私は国際交渉の基本
から国内折衝のしかたまでを学んだ。
英語での交渉のやり方はもちろん、国内
でも官邸や他省庁、水産業界との折衝
や対話を通じて、どのように自分
の考えを出し、省庁として、
国としての方針をまと
め上げるのか、その
ためのリーダーシップを誰が
どのように発揮したのかを
目の当たりにした。
ローマでの仕事を終えて帰国した
私は、1991年から捕鯨交渉に
携わることになった。
「クジラを殺すな」という国際世論に
押されて、日本の捕鯨の火が今まさ
に消えようとしていたころである。
ここでも多くの諸先輩方の指導を得た。
どこの交渉に行くにも、自分は
その上司の交渉ぶりを見て学び、
また直接レクチャーを受けた。
何ものにも代えがたい貴重な体験だった。
私の時代には、OJTが機能していた。
私は外国政府関係者とメディアから
「タフ・ネゴシエイター」といわれた。
それは戦後の混乱期から水産庁で受
け継がれてきた交渉人の系譜が、
そうさせたのであった。
一緒に、「切った張った」の修羅場を
くぐり抜けてきた先輩たちの姿をこの
目に焼き付けてきたからである。
私が携わってきたのは、農林水産関係
という限られた分野であったが、
20年もの間、国際交渉の
前線で仕事をしてきた。
その過程で、真の交渉力とは何か、
リーダーシップとは何かをいろ
いろな局面で考えさせられ、
実地に体験してきた。
交渉の目的は合意ではない。
捕鯨は文化であり、伝統である。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝