「いままでのやり方を踏襲していても、未来
はないような気がする。経営層や上司は答え
をもっていないまま変革やイノベーション
の号令を出しているが、実際に現場で
行っている施策は小手先の変化と
しか思えない。本当は、根本的
に新たなモデルをつくらない
といけないのではないか」
いま、日本の企業においても社会においても、
旧来のインフラやシステムの限界が露呈し、
イノベーションが求められている。
だが、そのイノベーション活動のなかには、
ゾンビのような生きていない活動も多い。
世の中を変える取り組みは、妄想をもった
ひとりの人が仲間を集め、新たな文化をつ
くる場と、そこで生まれてきた意志に
よって創造を繰り返していく創造の
生態系をつくることで持続可能になる。
つまり、人、場、意志、創造という“創造
のエッセンス”が不可欠だ。ともに、
たくらむ仲間をつくる。
新規事業は計画が頻繁に変わる。これを
耐えうるのは、互いにやりたいことを
共有する少数精鋭の仲間だ。まず、
3.4人の仲間を作る。
辺境に眠る妄想を発掘する。
出世コースではないマイナーな事業や部署、
辺境にいると、会社に縛られず、自由に
新しいことを試しやすい。
できる人材の中でそれを知っている人は、
あえて辺境にいることがある。
場と間をつくりだす。イノベーション活動の
初期には、多様な人が交じり合う場をつくる
と良い。この場で即興でしゃべったりする
ことが、創造の源泉となる。
大事なのは、十分なインプットをして、
それらの組み合わせを集中して
考えること。
その後は、緊張をゆるめ、遊んだり、散歩
したりするなど、ぼーっとする時間をとる
と、不意に脳の回路がつながり、
アイデアが生まれる。
アイデアそのものが降りてくるのは、
一人の時間がほとんどだ。
重要なのは、思ったことを即興でしゃべり、
やってみてから考える、という空気感をつ
くることだ。ガチガチに管理された中で、
上司に「おもしろいことを考えろ」と
言われても、いいアイデアは浮かばない。
まったく違うことを考えるには、「心
の余裕、余白、間」が必要だ。
新規事業は、一見ムダに思える余白や、役に
立たないように見える人付き合いが、創造の
源泉となる。地図なき時代を仲間と切り
拓くイノベーション実践36の智慧。
一人ひとりが発信したビジョンがやがてヒト・
モノ・カネ・智慧を呼び込み、生態系のよう
な環境から新しいアイデアが次々と生まれる
佐宗 邦威 (著)『ひとりの妄想で
未来は変わる』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!