2020/06/09 (火) 7:00
コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う
政治家・小池百合子。女性初の都知事(2期
目)であり、次の総理候補との呼び声も
高い。しかし、われわれは、彼女の
ことをどれだけ知っているのだろ
うか。「芦屋令嬢」育ち、謎多
きカイロ時代、キャスターから政治の道へーー
常に「風」を巻き起こしながら、権力の頂点
を目指す彼女。今まで明かされることのなか
ったその数奇な半生を、四年の歳月を費や
した綿密な取材のもと描き切る。
ただ一つだけ、はっきりと
していることがある。
彼女は決して下を見なかった、ということ
だ。怖気づいてしまわぬように。深淵
に引き込まれないように。
ひたすら上だけを見て、虚と実
の世界を行き来している。
ここまで権力を求め、権力を手にした女
は、過去にいない。なぜ、彼女にだ
け、それが可能だったのか。
おそらく彼女には、人を惹きつける何かが
あるのだろう。権力者に好かれ、大衆に慕
われる何かが。選挙での言葉は力強く、
熱を帯び、人々を興奮させる。
芝居がかった所作や過剰な表現。ひどく
饒舌で耳触りの良い演説。
「敵」を作り出して戦う姿勢を見せながら、
他者から共感を引き出していく手法。
私が書き手として、平成の代表者である彼女
に向き合うことになったきっかけは、月刊
誌からの原稿執筆の依頼だった。
都知事選が終わり、騒がしい夏が去ろうと
いう頃のことだ。私はそれを引き受けて、
いつもと変わらぬ手順で執筆しようと試みた。
資料を集めて読み込むことからすべては始
まる。彼女は政治家の中でも群を抜いて
自著の多い人である。
受けたインタビューや対談の類も膨大な
量にのぼり、読むべき資料には
事欠かなかった。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!