黒装束で素早く動き、手裏剣で敵を撃退
する…忍者に対するそんなイメージは、
すべてフィクションだった!「忍者」
という呼び名自体が昭和三十年
代に小説などを通じて定着
したもので、歴史的には
「忍び」と呼ばれた。
最も大事な使命は、敵方の情報を主君に
伝えるため必ず生きて帰ること。敵城
に忍び込んで情報を得ることはもち
ろん、日中は僧侶や旅人に化けて
話を聞き出していた。「酒、
淫乱、博打で敵を利用
せよ」「人の心の
縛り方」など
忍術書の八十一の教えから、
忍者の本当の姿を克明に浮かび上がらせる。
戦国時代の忍びは、 敵国への
侵入、情報収集などを行った。
もっとも重要な職務は、 敵方の状況を
主君に伝えることであるため、極力
戦闘を避け、生き延びて戻って
くる必要があった。
忍びの必要な要素の一つ。軍術はいうに
及ばず、諸芸に通じていて、詩文ある
いは謡、舞、小唄、拍子、物まね
などの遊芸に至るまで、 適時
使うことができ、時間を埋
めることができる者。
その土地の人々から情報を聞き出すため
には、仲良くなって言葉巧みに情報を
引き出す能力が必要。
忍者は、天井裏から聞き耳を立てているような
イメージがあるが、実際には、人と仲良くなっ
て情報を聞き出す陽忍のほうが多かったようだ。
ネットワークを構築する。
日ごろから諸国に知人を作り、
情報網を築いておく。
事が起きてから急に関係を持とうとしても難しい。
普段から関係を築くには、 詩歌、連歌、
俳諧、茶の湯などの遊芸の類をする。
そして諸国に知己をこしらえ、自分の名を
世間に知られるようにしておくのがよい。
どのようなことがあっても、その当時流行って
いることを身につけておけば、各地に通じやすい。
何かあってから情報を得るために奔走するの
ではなく、日頃から各所に知り合いを作って
おけば、常に情報が入るし、何か起こった
時にはその人物を頼って情報を得たり
対策をとったりすることが可能だ。
「芸は身を助ける」とのことわざもあるとおり、
いい関係を築くためには共通の趣味を持つ
のが良い。利害関係のない付き合いを
することは、さまざなま面で頼り
となるものだ。
言いにくいことは酒の席で言う。
日々の生活すべてが修行。
修行の第一は、 儒学の書、軍書などを
数多く読み、何事も広く学び、山野を
歩き回り、寒い暑いも我慢して夜
道を歩き、 深夜にも高山を登り、
厳寒であっても山奥の谷に
降り、暑中であっても
怠ることなく精神を集中させ、
鍛錬することを修行の第一とする。
忍者にとって修行は、 総合的能力を高めること。
文武両道を実践するため、まずは学問
の素養を身につける必要がある。
これも特定の分野だけでなく、さまざまな
領域にわたる広い素養が求められた。
その上で、肉体的鍛錬を行った。
その際は筋肉をつけるのではなく、忍耐力を
高めるために、暑さ寒さ、昼夜にかかわら
ず、高山に登ったり険しい谷に降りた
りすることを繰り返すことで、 持
久力および瞬発力の強化にも繋がったのだ。
山田雄司(著)『忍者はすごかった:
忍術書81の謎』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!