先進国で唯一麻疹が流行し、エイズが増え、
結核が減らない国。ワクチン行政が世界
標準より20年遅れている国。なぜこん
な状態になってしまったのか!?日本
の医療、行政、マスコミ、製薬
会社、そしてわれわれ国民の
なかにある“盲点”をさぐる。
たとえ、微生物が体に入っても
病気になるとは限りません。
はしかになったことのない人がはしかの
ウイルスを吸い込むと、ほぼ全例、は
しかという病気になります。
でも、同じように結核菌を吸い込んでも、
九割方の人は何も病気を起こしません。
なんて不公平なのでしょう、
感染症の世の中は。
感染する経路も感染力もばらばら、症状が出
る場所もさまざま、症状の強さもばらばら。
同じ病原菌でも、悪さをする場所によって、
引き起こす病気がちがいます。その人
の免疫カ(抵抗力)も大事です。
抵抗力が弱ってくると、普段は羅らない
感染症になったりするのです。
「病原(微生物)に触れたからといって、かな
らずしも感染しない」「感染したとしても、
かならずしも発症しない」いう点は重要です。
なんとなくわかりにくい、はっきりしない、
すっきりしない。これが感染症と
いう病気の特徴です。
ともかく、相当にあいまいで、ファジーなの
です。 ま、だからこそおもしろいのですが。
これだけあいまいな存在である感染症。そ
れは診療の難しさともつながっています。
病原体を見つけるだけでは治療ができない
のです。逆に、症状があっても病原体
が見つからないこともあります。
この症状に苦しんでいるこの人はいったい
何の病気なのか。感染症なのか。たとえ
感染症だとしても、その原因の
病原体は何なのか。
その原因微生物を殺し、治療するためにどの
ような薬があるのか、どのような方法がいい
のか。同じ病気でも治療法は患者に
よって多種多様です。
感染症のマニュアル本もたくさんあるのです
が、マニュアルだけでは通用しません。
救いがあるとすれば、感染症の世界にも
ちゃーんと原理、原則、基本が存在
するということです。
そして、その基本を徹底的に押さえておけ
ば、大抵の感染症には対時できるのです。
極端な言い方をすれば、風邪をちゃんと、
原理原則に則って治せる医者ならば、エ
イズにも新型インフルエンザにも
対応できます。
岩田健太郎『麻疹が流行する国で新型
インフルエンザは防げるのか』
の詳細、Amazon購入はこちら↓
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!