この哀しみをどう乗り越え、今後の有事
の際に活かしていけるのか。
そこであまりにもひどい惨状を目の当たりに
し、「もうリミッターを外すしかない」と
プロジェクトを立ち上げ、全精力をかけ
てきた生き様、気合、魂が一文字一文
字に乗り移っているからでしょう。
一人ひとりの小さな行動が大きな架け橋と
なり、絆に変わる。シンプルな装丁です
が、中身は非常に熱い本です。
ボランティア経験なしの早稲田大学大学院
(MBA)専任講師が、日本最大級の支援
組織「ふんばろう東日本支援プロジェ
クト」をどうやってつくったのか?
代表の著者がはじめて明かす、人を助ける
仕組みと支援の舞台裏。
3・11あと現地入りしたとき、自治体や拠点
避難所には物資が山積みになり、受け入れを
断る中で、小さな避難所には物資が届い
ていない状況を目のあたりにして、
大きな衝撃を受けた。
全国の一人ひとりの力を活かす仕組みをつくる
しかない。そうしてその翌日、「行政を通さず
に必要としている人に必要な分だけダイレク
トに届ける」ことを可能にする、ある仕組
みを作った。こうして「ふんばろう東日
本支援プロジェクト」が誕生した。
僕は被災地支援の専門家でもなければ、関連
するNPOで活動していたわけではない。早稲
田大学大学院のMBA課程で心理学と哲学を
教える一教員にすぎず、ボランティア
も初めてだった。
では、なぜこのような大規模なプロジェクト
を展開できたのか。それは僕が「構造構成
主義」という理論をつくっていたこと
と深く関係する。
頭かた地が出そうな堅い名前だが、そのエッセ
ンスは極めてシンプルで、あらゆる事象にしな
やかに対応するための考え方となっている。
そのため、構造構成主義は医学、看護学、作業
療法、理学療法などの医療分野をはじめとして、
心理学、教育学、歴史学、社会学、文学と
いった多くの分野に導入されている。
今回、誰も体験したことがなかった未曾有の
災害においてその真価を発揮することとなった。
構造構成主義は、固定的な方法が役に立たない
ような、まったくの未知の状況、変化の激しい
環境において、ゼロベースでその都度有効な
方法を打ち出していくための考え方だ。
このプロジェクトは、構造構成主義という原理
をバックボーンとし、ツイッター、フェイス
ブックといった媒体によって、多くの人た
ちの「被災された方々のために自分に
できることをしたい」という想いが
具現化したもの、ということができる。
ホームページとツイッターといったいま使え
るツールを組み合わせて、被災者支援という
目的を達成するための新たな仕組みを考案
した。それはシンプルなものだった。
西條剛央『人を助けるすんごい仕組み』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!