56歳で幼稚園をつくり、103歳のいまも
理事長として教育に思いを寄せる
近藤とみさん。
デジタル化の波が教育にも押せ寄せる中、
近藤さんの取り組みに本当の教育とは
何かを考えさせられます。
────────[今日の注目の人]───
☆ お母さんに「ありがとう」 ☆
近藤 とみ(学校法人まさ美学園)
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私がよく親孝行は大事だというのも、園児たち
の心の豊かさを育むためですよ。
ところが、いまは難しい時代になって、お母さん
たちがお弁当をつくるのが面倒くさいからと、
よそから取り寄せるでしょう。
でも、うちは月曜日だけはちゃんと手づくりの
お弁当を持ってこさせるんです。
日曜日の残りものでもいいから、お母さんが
弁当をつめて、それを持たせなさいって。
お昼になると「きょうはお母さん
ありがとうの日だね」って言いながら、
園児たちの机を回っていくと、あっち
からもこっちからも、私にお弁当の
中身を見せにくるんですよ、それも喜んで。
──情景が目に浮かぶようです。
子供にはただ口でお母さんに感謝しなきゃ
いけないよ、と言っても分からん。
でも、こうやってお弁当一つで、お母さんに
「ありがとう」が言えるようになります。
ここから豊かな心が生まれる。
これが本当の教育ですよ。
それからもう一つ言いたいのが、子供は
砂場から育つということ。
例えば、だんごをつくって綺麗に並べた
女の子が、「お父さん、ご飯ですよ」
って言う(笑)。ままごと遊びですね。
「ありがとう、お父さん喜ぶね」と私は
言うんですけど、そうやって誰もが
砂場から大きくなるんです。
早くから「1+1=2」を教えるよりも、
遊びながら教育する。
それが本当の教育だと思いますね。
ところがいまは親孝行一つとっても…
※「古きもまた新なり」と語る近藤さん。
その言葉を裏付ける 取り組みの続きは本誌で。
『致知』2016年12月号
連載「生涯現役」P106
ネガティブ意識がなくなれば自然と感謝が
溢れてくるようになる。
宇宙の本質を知れば周りが味方にあるかも
しれないということに気づくだろう。
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!