途方もない大金持ちはいかにして生み出さ
れるのか?日本経済の未来は、どこにある
のか ? 19世紀のゴールドラッシュは、
多くの成功者とともに、多くの失
敗者を生んだ。どちらも、実
に興味ある物語だ。
まず、失敗者。金が発見された土地の所有
者であったジョン・サッターは、世界一の
大金持ちになるどころか、成功しかかっ
ていた人生をずたずたに切り裂かれた。
金を求めて全世界から押し寄せた採鉱者
(ファーティーナイナーズ)の
多くも、そうである。
金(経済的にきわめて価値が高いもの)の
発見は、それに直接関連する人々(土地
所有者、採鉱者)に、富を自動的に
約束するわけではないのだ。金
発見の意義は、「それによっ
て経済条件が大きく変わる」ことなのである。
「カルフォルニアで金が発見された」という
ニュースに接した人は、次のように
考えるべきだった。
「このニュースを聞いて、多くの人がカル
フォルニアに押し寄せるだろう。したがっ
て、そこは、もはや無人の辺境ではなくなる」
多くの人が集まることの第一の帰結は、生活
必需物資の需要関係が劇的に変化することだ。
成功者のビジネスモデル。ゴールドラッシュ
の成功者は、経済条件が大きく変わることの
意味を正しく理解し、それに適切に対処した。
最初の成功者サム・ブラナンは、「多くの
人が金採鉱に来るなら、そのための道具
が必要になる」と正しく予測し、
それらを買い占めた。
そして高値で転売し、あっという間に巨万
の富を得た。しかも「金発見」という情報
を、サッターのように隠そうとしたの
ではなく、逆に宣伝した。「情報」
に対する彼の戦略は、ITのビ
ジネスモデルに通じる。
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超ビジネスモデル』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!