第二の成功者リーバイ・ストラウスは、
採掘者(ファーティナイナーズ)が求
めているもの(丈夫なズボン)を
正しく把握し、新しいズボン
(ジーンズ)を発明した。
彼がそうした需要を知りえたのは、つね
に採掘者の近くにいたからである。
第三の成功者ウェルズとファーゴは、やは
り採掘者が求めているものに対応した。
彼らが提供したのは、モノではなく、
輸送や送金・通信などのサービスである。
そして駅馬車便が鉄道によって駆逐された後
も、ビジネスモデルを適切に対応させ、現在
のウェルズ・ファーゴ銀行にまでつなげた。
彼ら成功者に共通しているのは、金を掘り
に行かなかったことだ。つまり、皆と同じ
ことはしなかった。そして「金を掘る
人を掘った」のである。
2つのゴールドラッシュをつなぐもの。
「原始的市場経済」の様相を呈して
いたカルフォルニアの経済活動
は、急速に資本主義化した。
このようなトレンドの頂点が、大陸横断
鉄道の建設である。株式会社という近
代的組織によって、それまで不可
能と考えられていた難事業が
達成されたのである。
この事業は、同時に「巧妙な仕掛けによって、
ごく一握りの人々が巨万の富を蓄積する」
ことの先駆例ともなった。
成功者は、とりわけ巨万の富を獲得した
者は、その富の使い方によって
歴史にテストされる。
鉄道王リーランド・スタンフォードは、
スタンフォード大学の設立者として、
間違いなく合格者の中に入っている。
19世紀のゴールドラッシュによって
カルフォルニアに根付いた精神を、
現在に至るまで継続しえたのは、
スタンフォード大学が存在
したからである。
つまり、この大学こそが、19世紀のゴール
ドラッシュと21世紀のゴールドラッシュ
とをつなぐ導管となっているのだ。
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超ビジネスモデル』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!