抑止力の存在は東シナ海に平和をもたらすことになる 第 1,827 号

 南シナ海の大半をコントロール下に置いた中国。

フィリピン、ベトナム、インドネシアの抗議

も虚しく軍事拠点化を急速にすすめている。

 そして次に狙うのは、東シナ海。いつ魚釣島

に上陸してもおかしくはない。中国船が日本

の領海への侵入を繰り返すのは、状況が

差し迫っていることの顕れであろう。

 北村淳氏は指摘する。日本人は願望と現実を

混同してしまっている……と。「中国軍は

弱くあってほしい」「中国が攻めてきた

ら、米軍が守ってくれるはず」とい

った、事実から目を逸した「平

和ボケ」を続けている。

中国は国際的な非難もものともせず、南シナ海

で自国の軍事拠点を築いた。次のターゲット

は魚釣島。侵攻の日は近い。しかし日米

安保条約が破棄されなくとも、アメ

リカ軍は日本に援軍を出さない

理由がある。このままでは

日本は国土と領海を守れない。

 軍事アナリストが日中の戦力差を冷静に分析

し、両国の衝突を緻密にシミュレーション

することにより、日本に必要な海軍、

航空、ミサイル等の戦力、島嶼

を防衛するための戦略を追求する一冊。

 やるときは徹底してやる覚悟!! 中途半端

な地対艦ミサイル戦力を南西諸島に配備

しても、人民解放軍侵攻戦力に対

する抑止力にはならない。

 軍事には妥協や中途半端は禁物であり「やる

ときは徹底してやる」覚悟が必要である。

 せっかく地対艦ミサイルを装備した陸上自衛

隊部隊を南西諸島に展開するのならば、中国

艦隊の南西諸島への接近を阻止できるくら

いの強力な戦力を配備しなければ抑止

能力を発揮しないのだ。

 アメリカ軍ほどには戦時に際しての強力な

攻撃力を持たずとも、平時において中国

艦艇や航空機に対して常時、強い心

理的プレッシャーを与え続ける

「接近阻止戦略」と、それに

基づいた防衛システム

こそ真の意味での強力な抑止力となるのだ。

 そして、そのような効果的な抑止力の存在は、

究極的には中国共産党指導部に無謀な海洋

侵出政策の大幅修正や断念を迫ることに

なり、東シナ海に平和をもたらすことになる。

 そしてなによりも「接近阻止戦略」に基づい

た防衛態勢が確立することは、「米軍依存」

と「平和ボケ」が織りなす「無限ループ」

から脱却して軍事的自立、すなわち真

の独立国への第一歩を踏み出す

ことになるのである。

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 今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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