熟慮もへちまもない。断行だ。だから私は「決断
と実行」をスローガンにしたのだ。
トップになったら、懸案事項はすぐやるべきだ。
ところが日本人はしばらく情勢を見てからやろう
とする。
そんなバカな、船出じゃあるまいし。
最高の権力を握って国民の負託に応えなきゃならん
ときは、すぐにやらなければならない。
社長でも何でもそうだ。
熟慮断行という言葉もあるけど、もう30年も35年も
経験してきた者が、熟慮もへちまもないんですよ。
断行だ。
総理というのは、最後に何かをやろうとしたって絶対
できない。社長でも、やめる社長の言うことなんか
聞くわけはない。
俺が通産大臣になったと同時に、日米繊維交渉を
やった。沖縄問題も視野に入って、「縄と糸の
交渉」だと言われた。
交換できるなら、縄をとるのは当たり前だ。
そこらが政治の呼吸というか、勝負どころなんだ。
「選挙区のことは、5メートル単位で知っている」
角栄の選挙区の新潟3区は、33市町村もあった。
南は南魚沼郡湯之谷村から、北は三条市までと広い。
角栄は、この票田を議員生活36年にわたって丹念に
耕してきた。
「俺は自分の選挙区のことは5メートル単位で、全部
知っているんだ。この道は何メートルで、工事費は
いくらだったか。
あそこの崖崩れ防止は、もうそろそろ手を入れないと
危ないとか」
「ものになるのは『叩き上げ』だ」
角栄は「叩き上げ」という言葉が好きで多用した。
「叩き上げ」の人を政治家でも経済人でも持ち上げ、
称賛していた。
自分のキャリア、人生と重なるからだろう。
だからといって、叩き上げでない人を軽蔑する
ことはなかった。
「ソ連のブレジネフなどは、叩き上げだ。
工場で20年、30年と旋盤工として働き、50歳近くで
中央に上がり、今の地位にいる苦労人だ。
彼らが指導部にいるときにこそ、北方領土返還の
交渉をしなければならない。
官僚が上がってきたらダメだ」
「政治家でも商売人でも、やっぱりものになるのは
創業者だな」
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