小西美術工藝社会長。
元ゴールドマンサックスアナリスト。
裏千家茶名「宗真」拝受。
日本の国宝・重要文化財を守る江戸時代より続く
老舗企業の経営者へと転身したデービッド・アト
キンソン氏が、オックスフォードの日本学と
ゴールドマンサックスの財務分析を駆使し、
「日本」の経済と文化を深く考察。
日本人だけが知らない「日本の弱みと強み」
をわかりやすく解説する。
日本の金融業界で働いていたとき、
日本の社会に幻滅していた。
しかし茶道が、日本の素晴らしさを教えてくれた。
気分転換になれば、くらいの軽い気持ちではじめた
茶道でしたが、青山の自宅近くにある裏千家の
先生について稽古を重ねるうち、みるみる
うちに茶道の奥深さに引きずり込まれた。
気が付けば自宅に茶室をつくる
ほどのめり込んだ。
300年続いた日本企業である「小西美術工藝社」
の改革に成功して感じたのは、「やるべきことを
やれば日本の組織は劇的に改善する」ということだ。
この会社の徹底したコストカットを行い、
非正規労働者の人たちを正社員にした。
それともない、「後継者不足」と「職人の
技術が低下している」という大きな
2つの課題も改善していった。
年配の職人の給料に一定の上限を設けつつ、若い
職人も正社員として収入を安定させることで、技
術が継承されていく流れを促すことにした。
また正社員となることで彼らの責任感が強く
なり、品質管理が徹底され、技術も向上した。
日本の会社に入って思ったのは、「数字に基づいた
分析と、細かい改善をしない」ということだ。
わたしが「小西美術工藝社」の経営でやったことを
一言でいうと、「客観的な評価の少ない文化財の
会社に経済界の常識を導入した」ということだ。
在庫管理、実行予算管理、進捗の確認、研修制度、
品質検査、営業、会社の存在自体のアピール、
研究室の設置など。
金融マン時代、「なぜこの国が世界第2位の経済大国
に成長したのか」と、ずっと疑問に思っていたが、その
答えが、世界でもまれな「勤勉な労働者」にあるという
ことが、自分が実際に経営したことでよくわかった。
英国は、「クールブリタニア」戦略を始めたときに、
文化財や観光ビジネスにまつわる「数字」
を徹底的に分析した。
それを見ながらイギリスは文化財
保護政策に力を入れていった。
観光戦略は、食事、漫画、アニメ、音楽などに
加えて、文化財を中心とした日本の伝統文化
の世界への訴求にも大きく貢献する。
アトキンソン
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今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!