家畜の餌となる穀物を巡る状況も、同様に深刻
である。大豆も、中国の調達量は日本の300万
トンに対して、実に1億トンにも及ぶ。
しかも中国の爆買いと原油高騰による
トウモロコシや大豆のバイオ燃料需要も増加し、
価格が高騰し、入手は困難になる一方である。
これは牧草についても同様である。
さらに困ったことには、
穀物を輸送するコンテナ船が巨大化し、
中国の港には荷を下ろせるが、
整備の遅れた日本の港には寄港できず、
日本は割高な輸送料を払い、そこからさらに
積み荷を小分けして運ばなければならず、
物流面でも不利な状況を強いられているのだ。
野菜の自給率も80%とされるが、
その種の自給率は10%に過ぎない。
物流停止で海外から種が運べなくなったら、
自給率は8%になってしまう。
このように、37%という日本の食料自給率は、
化学肥料や飼料や種の自給率の低さも考慮する
と、実質的にはさらに低く、10%あるか
ないかだという驚愕の実態が見えてくる。
日本の豊かな食生活は実は飢餓と隣り合わせ
であり、薄氷の上を歩むような危うい状況に
あることを私たちは理解しなければならない。
では、なぜ日本の食料自給率はここまで落ち
込んだのか。その根本的な原因は……
●この続きは2023年1月号でご覧ください。
鈴木さんの論考では、
・日本では、世界でも例がないくらいに短期間
で食の伝統が失われた
・日本はアメリカが儲けるのに都合のよい市場
・危険な食品が海を越えてやって来る
・安心安全な国内の農家と手を結べ
・「いまだけ、金だけ、自分だけ」という
低い志から脱する
など、日本の食の安全保障を巡る驚くべき事実と
自らの身を守り、危機を脱する処方箋が語られ
ます。ぜひご覧ください。購読はこちら
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★鈴木宣弘さんの食の安全保障を巡る衝撃的な
論考は、『致知』2023年1月号連載「意見判断」
に掲載されています。購読はこちら
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!