元米軍人だから書ける「アメリカの本音」日米
同盟は最長でも2050年で終わる! そのとき日本
が中国の属国になりたくなければ何をすべき
か? 尖閣事件に象徴される脅威を前に、世
界の最前線で戦ってきた日本生まれの
元米軍将校が警鐘を鳴らす。
ひとくちに日米同盟というが、本来、同盟
とは同レベルの国同士が結ぶ条約だ。
その証拠に日米安全保障条約には、「破棄
通告から1年の期間をおけば、いつでも
条約を破棄できる」という条項がしっかりある。
このことを理解しておかないと、ある日突然、
米国から条約破棄を通告されて、慌てふた
めく事態になる。現状で日本の国防は
米国なしには考えられないため、
これは有事の場合、「日本
が消滅」することを意味する。
しかし、冷静に考えてください。武力の
「武」という字は、「戈を止める」と書く。
争いをなくす、という意味がある。
武士はむやみやたらと刀を抜くのではなく、
抜かずに済むならば耐えて事を収め、
敵に対しても情けをかけた。
しかし、いざ刀を抜いたときに錆びていては
武士の恥だ。だから、常に侍は研ぎ澄まさ
れた刀と、一刀両断できる技を磨いて
鞘の中に収めていた。
日本刀を持ったサムライとは、武力とは、
尊く奥深いものではないでしょうか。
残念ながら現在の日本では、武力とはまるで
悪いことのように解釈されている。
私は日本で空手や剣道などの武道を習ったが、
そこには必ず礼節を重んじる心があった。
道場に出入りする際には神前に向けて一礼する。
そして練習後には必ず道場訓を唱えた。
アメリカへ行って理解したのは、ボクシング
や総合格闘技を練習する場所は、道場では
なくジムだ。神棚もなければ道場訓
を唱えることもない。
アメリカには、スポーツマンシップというもの
が確かにあるが、武士道にはほど遠いものだ。
そうした経験から、日本人とはとても崇高
な民族なのだと気がついた。
日本を出たことによって、日本の外から武士道
というものを改めて発見することができた。
沖縄は、「キーストーン・オブ・パシフィック」
(太平洋の磁石)だ。日本人にとっても、日本
という国を「大坂冬の陣」の大坂城にたと
えれば、沖縄は「真田丸」なのだ。
太平洋戦争を思い出してください。沖縄が陥落
して3か月後に、大日本帝国は全面降伏した。
沖縄が落ちれば、もう全部負け。
だから絶対に落とせない。
米国の対中戦略を考えたとき、太平洋に進出し
ようとする中国を食い止めるために絶対に
必要な最重要拠点が「沖縄」だ。
沖縄に米軍の大きな戦力がいることで中国の
太平洋進出を阻み、台湾侵攻を諦めさせて
いる。その厳然たる事実を見れば、
この点で日米の国益は一致している。
歴戦の鬼軍曹がいる軍隊はビシッと引き締まる。
わたしの訓練教官だったベルダ軍曹の、ソマ
リアにいたんだという実戦経験に裏打ちさ
れた自信を伴うオーラには、当時新兵
だった自分もビビったものだった。
日本がもっとも警戒すべきなのは、実は台湾有
事のほうだ。こちらは朝鮮半島有事よりも、
日本の安全保障を根底から揺るがす。
中国が欲しいのは、まず台湾だ。でも、ひと
たび台湾が落ちてしまえば、中国はいつ
でも台湾海峡を封鎖できるので、日
本経済と在沖縄米軍に大打撃
を与えることができる。
台湾海峡には日本のタンカーや貨物船がそれ
こそ数珠つなぎのようになって航行して
いる。それを止められたら、日本
経済はひとたまりもない。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!