世界史に学ぶ「知恵」と「悪知恵」。混迷を
増す世界の中で、日本が生き残るためになす
べきこと。時代の転換点を迎えた今、日本
の針路を見極めるために、世界史の事件
に学ぼう。維新、世界大戦、冷戦、ソ
連崩壊、グローバル化など、我々は
何を教訓として行動すべきか。
世界覇権の文明史。アングロ
サクソンはなぜ最強なのか。
ヨーロッパの田舎国が生み出した300年
続く「支配の論理」。「アメリカの覇
権」を正確にいうなら、「アング
ロサクソン(英米)の覇権」
ということになる。
ローマ帝国の崩壊以来、ヨーロッパでは
フランス、イタリア、スペインなどラテ
ン系の国が勢力を誇り、イギリスは長
く「片田舎の島国」に過ぎなかった。
では、なぜイギリスは勝者となったのか。
その鍵となったのは、3つの力による
ものだった。それは、金融力、
情報力、海洋力である。
英国が覇権国家となるきっかけは、なんと
いっても1588年、スパイン艦隊を破っ
た「アルマダ海戦」である。
堂々たるスペイン海軍に対し、イン
グランド海軍の実態は、いわば
海賊の寄せ集めだった。
そして、この海戦の最大の勝因は、じつは
海軍力ではなく、ヨーロッパ大陸に張り
巡らされた金融ネットワークを駆
使した情報工作にあった。
金融と情報を重視し、それらを互いに関連さ
せて駆使することで、アングロサクソンは
覇権を手中に収めていった。そして島国
でもあり貿易国家でもある英国(そし
てアメリカ)が力を注いだのが
「海洋覇権」の確立だ。
じつは、「自由と解放」の論理こそ、300年
近く続くアングロサクソンの覇権のもっと
も核心的にある秘密なのだ。
アングロサクソン文明の「秘中の秘」の特徴
は、「偽善」である。アングロサクソンの
「自由と開放」も、みんなの利益を尊
重しているように見えて、実際には
自分たちの利益の最大化につなが
るよう巧妙に仕組まれている。
誰であれ自己利益の極大化は当たり前だが、
アングロサクソンのモラルでは、それを
露出させてはいけない。とにかく「隠
す」ことが大切なのだ。だから普遍
的な価値観が、ことさら強調されるわけだ。
イギリスの知恵と「悪知恵」。それは、
早く見つけ、遅く行動し、粘り強く
主張し、潔く譲歩する。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!