本年1月に行われた弊社主催の
新春特別講演会に登壇され、
素晴らしいご講演をいただいた
作家の五木寛之氏。
五木氏による新連載
「千年の名言――今を生きる言葉」が
最新号の『致知』4月号より
スタートいたしました。
その一部をご紹介いたします。
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「千年の名言」という言葉に、人はどのような
イメージを思い浮かべるのだろうか。
一般には、はるか過去の古典のなかで語られた
言葉が、現代まで生き残って、私たちの胸に
強く響くことを指すと考えるのが普通だろう。
しかし、偏屈者の私は千年の昔から
人口に膾炙して、今なお輝きを失わない
古典の言葉だけを〈名言〉とは考えない。
いま、私たちの日常生活のなかで、
日々、泡のように生まれ、消費され、
消え去る言葉のなかにも、明日の千年を
生きる名言があるのではないかと思うのだ。
古式床しき過去の名言も貴重であり、同時に
未来千年の明日に生き残る名言も大事だろう。
いま、まさに時の人である大谷翔平選手が
WBCでの試合前に残した言葉なども、
その一つではあるまいか。
「きょう一日は、彼ら(アメリカの名選手たち)
を憧れるのはやめよう」
と、大谷翔平選手は言った。
その言葉の背景には、東北で異国の野球に
魅入られた少年たちの過去の憧憬と、
思いが深く影をおとしている。
その決断があったからこそ、決勝戦で
アメリカ・チームに勝つことができたのだ。
たぶん、彼のその日の言葉は、千年のちまで
名言として語りつがれるのではあるまいか。
「千年の名言」とは、古いから名言なのでは
ない。名言だからこそ生き続けたのだ。
私たちの周囲には、日常の会話や、メディアを
とおして、そのような言葉が無数にあふれている。
その中から時代の変化に耐えて、
後世に語りつがれる名言が誕生する。
この欄では、過去と現在とを問わず、
時空を超えて今後も生き続けるような言葉、
今を生きる名言をピックアップしていくつもりだ。
(……続きはぜひ本誌をご覧ください)
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!