グローバル環境で結果を出すのに不可欠なの
はマニュアルよりも自分らしさ。ベストセ
ラー『ハーバード白熱日本史教室』
著者が贈る、ワクワクする未来
を創る生き方・学び方。
高校の夏休みを利用した初の短期海外留学。
1ヶ月のホームステイ先は、カナダのノー
スバンクーバー。トランク1つ、語学
力ゼロの、日本から来た高校生。
怖いものがないというより、怖がる理由がな
かった。九州から突然飛び出してきて、
目的という目的もなかった。
ホームステイ先のご家族によくしてもらい、
「もっと英語を勉強して、こっちの大学に
家から通えばいいじゃないか」と勧めら
れ、私はあっさりその気になった。
これはやってみないと後悔する、という直感
が、いったん帰国した私を再び九州から
飛び立たせるきっかけとなった。
しかし実際は、すぐに大学に入れたわけでは
ない。私の高校までの英語は、カナダの大学
に入学できるレベルからは程遠く、ノース
バンクーバーのホームステイ先から英語
学校にしばらく通うことになった。
英語学校での目標は、もちろんTOEFLの試験
で高得点を取ること。しかし、一から英語の
勉強を始める私には、途方もなく長い道の
りに見えた。そこで、私は突然テスト
のための勉強をやめた。
子供向けのテレビ番組で基礎の基礎を覚える。
英語を学ぶ留学生とのコーヒーショップのほ
うが会話がはずんだ。間違ってもよいの
で気楽に英語が使えた。
その後、毎日5時半にホームステイ先の家に
帰って、3歳のスティーブンとテレビを見た。
実は、これが英語上達の早道だった。
スティーブンを寝かせるための絵本の読み
聞かせと子守唄で反復学習をした。これ
がまたいい英語の勉強になった。
このような試験勉強ゼロの日常の学習6ヶ月
でTOEFL基準点を突破できることができた。
大学では覚えた内容を何度も思い出す時間を
つくった。ノートはほとんど取らなかった。
記憶の反芻という作業をしていると、一人
でぼーっとしているような見かけになる
ので、静かで安全なスポットを見つ
けておく必要がある。
途方もない仕事量のこなし方。プリンストン
大学での博士号取得には、歴史の知識だけ
でなく、言語の習得が必要だった。日
本史専攻の私の場合は、英語のほか
に、ヨーロッパの言語で文献が読
めること、中国語の文献が読め
ること、そして古文漢文の
解読能力が要求された。
専攻科目の歴史の勉強のほうはというと、言語
のほかにも膨大な量の書籍との戦いが待ち構
えている。本読みをどうこなすかが、博士
号取得にかかる時間を左右する。図書館
にはいっぱい本があり、それらを片っ
端から読んでいくのは無謀である。
論文はがむしゃらに書く、
捨てる、書き直す。
締め切りは絶対。時間内にどれだけ成果を
出すか。ずるずる引き延ばしても、よい
作品や仕事はできない。
勉強に没頭、気づいたら5日経っていた。本当
にやりたいことをやっていると、人は時間が
経つのを忘れる。好きな本に没頭して、何
時か分からなくなるような感覚で、5日
経っていたことがあった。とにかく
集中して読み、書き、真剣に考え抜いた。
教えることは最高の学び。準備がすべて。
このことは、結局何事にも共通している。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!