1「すべて存在するものは善きものである」
2「WEBchichi」いちおし本のススメ
3 読者が選んだ『致知』の言葉/山村暮鳥
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1「すべて存在するものは善きものである」
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曽野 綾子(作家)
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23歳で文壇デビューを果たして、87歳
のいまも精力的に創作活動を続ける
作家・曽野綾子さん。
その歩みは自分の思い通りにならない
ことであっても、決して下を向か
ない強さがありました。
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──曽野先生がこれまでの人生で直面
した最大の試練というのは何でしたか?
それは40代の後半に失明
しかけたことです。
その頃、急に視力が落ちてきたのを感
じて検査を受けたら、中心性網膜炎
という病気に罹っていました。
目を酷使し過ぎたことと強いストレス
が原因だと言われました。
さらに白内障も患ってしまって。
手術しようと思っても、どの眼
科医も私の手術はすると言っ
てくださらないんですよ。
「強度の近視だから視力が回復
しないかもしれない。
それにもし曽野さんが失明したら誰が
手術したのか騒がれるから」って。
やっぱりその時が一番大変で、口述
で小説を書く訓練も始めましたけ
ど、何本か連載を休載しなけ
ればなりませんでした。
──それは辛いですね。
そういう状況が半年くらい続いた時に、
ある先生が手術を引き受けて
くださったんです。
50歳になる少し前のことでした。
術後、麻酔が覚めて目を開けると、生ま
れて初めて3メートルくらい先に置い
てある本の背表紙が裸眼で読めた。
もう画期的に見えるように
なって感動しました。
で、私その時に……この感謝を生涯
どうやって捧げようかと思いました。
だってどこの眼科に行って
も断られたんですよ。
もうちょっと様子を見ましょうとか、
まだ見える目に手をつけちゃ
いけないとか。
それが手術をして目が治ったという
ことは、続けてお書きなさいとい
うことだろうと思いました。
『致知』2018年11月号【最新号】
特集「自己を丹精する」P10
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!