このコロナ禍の中で、家族や大事な人の
お見舞いや介護は自由にできないという方も
多いのではないでしょうか。
認知症の母を20年以上にわたって介護した
壮絶な体験を詩に綴ってきた藤川幸之助さん。
人は認知症になっても、しっかりとそこに
生きている――
生きることの意味、尊さを問う詩
「ただ月のように」を配信します。
★感動の声が続々。藤川幸之助さん初の
自選詩集『支える側が支えられ、
生かされていく』(致知出版社)はこちら
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「ただ月のように」
認知症の母の傍らに静かに佇む
何かをしているように
何にもしていないように
見つめているようで
見つめられているようで
ただ月のように
母の心に静かに耳を澄ます
聞いているように
聞かれているように
役に立っているようで
役に立っていないようで
ただ月のように
母の命を静かに受け止める
受け入れるように
受け入れられているように
愛しているようで
愛されているようで
ただ月のように
ただそれだけでいい
何かをするということではない
何かをしないということでもない
することとしないことの
ちょうど真ん中で
することとされることが交叉する
ただ月のように
ただそれだけでいい
※『支える側が支えられ、生かされていく』(致知出版社)より
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!