母はドラマチックで壮大なことが好きだった = 2-2 = 第 919 号

 土地を買おうと思うときには、その

近くに住んでいる人々に学校、治

安、商店のことなどを聞く。

 知らない町へ行ってタクシーに乗ると、

必ず運転手に町のことを尋ねる。

 根ほり葉掘りきいているうちに、

何かがつかめてくる。

 その時に決断を下すのだ。

 私は有名なコンサルティング会社より

自己流の調査によって、はるかに

多くのことを学んできた。

 私の父、フレッド・トランプは、小さ

い頃から地元の果物屋の配達から靴磨

き、建設現場での木材の運搬など、

ありとあらゆる半端仕事を引

き受けるようになった。

 彼は建築に興味を持ち続け、高校生の

とき、夜学に通って大工仕事と図面

の見方、見積を学んだ。

 建築のことを学んでおけば、いつでも

生計を立てられると思ったのだ。

 私はヨチヨチ歩きができるようになった

頃から、父と建築現場へ出かけていった。

 10代のころは、休暇で学校から帰省

すると父のあとをついてまわり、

売のことをつぶさに学んだ。

 業者との交渉、現場めぐり、新たな建設

用地を手に入れるための交渉など。

 父と一緒に最初働いたが、やがて

自分の道を歩き出した。

 父が建設途中のトランプタワーの

現場を見に来たときのことは、

いまだに覚えている。

 父はひと目見るなり、私に言った。

 「こんな高価なガラス壁を使うことない

じゃないか。4.5階までこれを使って、

あとは普通のレンガを使ったら

どうだ。どうせ上を見上げ

る者なんかいないよ」

 これはまさにフレッド・トランプ

的発想だった。

 私は父の倹約精神に心を打たれたし、

もちろん父の気持ちもよくわかった。

 だが同時に、なぜ自分が父のもとを離れ

たかという理由も、はっきり認識した。

 父の商売を継ぎたくなかった本当の

理由は、私にはもっと遠大な夢と

ビジョンがあったからだ。

 これは父の仕事が肉体的にも経済的

にも厳しかったという事実より、

はるかに重要だった。

 考えてみると、私のショーマン的

な性格は、母から受け継いだ

もののように思う。

 母はドラマチックで壮大な

ことが好きだった。

 ごく平凡な主婦だったが、自分を越え

た大きな世界観ももっていた。

 エリザベス女王の戴冠式のとき、スコ

ットランド人である母はそれを見る

ために、テレビの前に釘付けに

なり、一日中動かなかった

ことを覚えている。

 母は式の壮麗さと王室の華やかな雰囲

気にただ心を奪われていたのだ。

 その日の父のこともやはり

記憶に残っている。

 父はイライラと歩き

回り、母に言った。

 「メアリ、いい加減にしてくれ。

 もうたくさんだ。消しなさい。

 あんなものニセ芸術家の

集まりじゃないか」

 母は顔も上げなかった。

 この点で2人はまったく対照的だった。

 母は華やかさと壮大さを好む。

 だが父はきわめて現実的で、能力や効率

の良さにしか心を動かされないのだ。

 大事な取引をする場合は、トップを

相手にしなければラチがあかない。

 その理由は、企業ではトップでない者は

みな、ただの従業員にすぎないからだ。

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今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝

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