ますます深刻化する世界的な水不足。
各地で水をめぐる紛争が起こり、食糧争奪戦争
も勃発している。
また、隣国・中国の水不足も早急に対応を必要
とする問題だ。
中国が狙うのは日本の豊かな自然、
つまり水資源だ。
いまや「水を制するものは世界を制す」とまで
言われるほど、ビジネス上でも、安全保障上
でも、水は重要なアイテムとなっています。
こうした時代に日本がとるべき道は?
水ビジネス戦争に勝ち残るための日本の戦略は?
日本の水ビジネスは、世界に誇る技術があっても、
プラントの建設や運営まで一貫して受注する総合的な
ノウハウと国家戦略がなかったため、これまでは
一過性の施設建設業務を請け負うだけだった。
尖閣諸島沖での衝突事件の背景に、中国が抱える
資源問題があることは意外にも見過ごされている。
いまや中国は世界中の資源を欲していて、なか
でも「水」は中国最大のアキレス腱だ。
それほどまでに中国は水不足に悩んでいるのであり、
それは日本の死活問題とされたレアアースより
はるかに大きな問題なのだ。
中国との外交交渉というのは、魔術師、手品師と
交渉するようなものなのである。
中国政府の拡張政策、資源漁りにあるのだから、
これをストップさせるにはどうすべきか、
われわれは真剣に知恵を絞らなければならない。
中国が戦略的のなのは、ハードパワーとソフト
パワーをセットに使うこと。
最近ではメコン川流域国家であるタイ、ラオス、
カンボジア、ベトナムなどが、中国の自己中心
的な態度に不信感を持っている。
というのは中国がメコン川の上流地域の雲南省内
に大規模ダムを15箇所も建設する計画を
持っているからだ。
その水を上流のダムでコントロールしてしまえば、
中国は水を得ると同時にメコン川下流国家の
経済支配までできることになる。
北京五輪のとき、チベット独立運動を力ずくで
弾圧したが、中国はそうせざるを得なかった。
その最大の理由は、やはり水である。
チベット高原には永久凍土があり、それはメコン
川の水源となっているばかりか、黄河や
長江の水源でもある。
したがってここを押さえておかないことには、
中国は水も確保できないうえ、経済
発展もできなくなるのだ。
日本はイラクの政情不安と経済復興に欠かせ
ない水の供給という分野で、持てる技術力
をふんだんに発揮すべきだ。
そうすれば、普天間基地移転問題でこじれて
いるアメリカとの関係で、日本は有効な
外交カードを得ることになる。
このように、水は戦略物資であることを
忘れてはならない。
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ございました。感謝!