東アジアの軍事化に直面する日本に警鐘!
直近の米外交安保政策の進む道を示し、ワ
シントンで必読とされた話題書、第一人
者による邦訳完成!
2020年代が米中新冷戦の最も危険な時期
(デンジャー・ゾーン)で、台湾侵攻の
最悪の事態に備えるよう説き、衝撃を与えた。
台湾有事で大きな被害を受ける日本は「デン
ジャー・ゾーンの脅威を、アメリカ以上に
深刻に受け止めている。日本は21世紀に
おいて、ワシントンが最も頼りにする
『20世紀のイギリス』のような同盟
国になろうとしているのだ」
1990年代には台湾は中国に対して地理的・技術
的に有利であったため、実質的に征服不可能だっ
た。台湾海峡は台風や高波のおかげで危険な
海域で、島そのものが自然の要塞となっている。
ところがそれ以降の中国は、国防費の支出で台湾
を25対1の額で圧倒するようになった。新しい軍
艦、戦闘機、ミサイル、そして何千人もの兵士
を運ぶことが可能な水陸両用艦などを次々
と生産した。
中国の兵力規模は、今や台湾の10倍である。
中国の長射程の防空システムは、台湾上空
の航空機さえ撃墜できる。
中国のサイバーおよび対衛星能力は、アメ
リカ軍の重要なセンサーや人工衛星を機能
不全に陥れることで、同軍の耳と目と口
をきけなくしてしまう恐れがある。
台湾には、その遅れを取り戻す準備が
できていない。
台湾は兵站部隊を削減しており、これに
よって戦闘部隊への補給や基本的な整備
を日常的に怠っている状態だ。
要するに、中国は1914年のドイツや、1941年
の日本のように、軍事面では有利だが有限の
チャンスの窓を持っているということだ。
アメリカ軍は実に多くの点で、まだロナルド・
レーガンが築いた軍隊なのだ。とりわけアメ
リカ海軍と空軍の近代化は何十年にもわた
って先送りにされてきた。現在その問題
は深刻なものとなっている。
習近平は「台湾の解放」に自分の正統性(レジ
ティマシー)を賭けている。2017年に彼は
台湾の統一が「中華民族の偉大な若返り
を実現するための必然的な要件」
であると発表した。
彼らは早い段階、つまり台湾とアメリカ軍が
反撃してくる前に、激しく攻撃することが
勝利への一番の近道であることを知っている。
だからこそ中国の軍事ドクトリンでは、真珠
湾攻撃のような形で相手を素早く武装解除
することを目指しているのだ。
最も可能性の高い戦争開始の形は、台湾、沖縄
やグアムのアメリカ軍基地、日本を母港とする
アメリカの空母打撃群の上に、陸上・空中
から発射された中国のミサイル数千発
が降り注いで始まる、というものだ。
「恐ろしい2020年代」は厄介な
10年間となりそうだ。
なぜなら中国が厄介な地政学的な分岐点、
衰退を避けるために大胆に行動すること
が可能であり、またそうすべき時点
に差しかかっているからだ。
『デンジャー・ゾーン。
迫る中国との衝突』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!