物事に一喜一憂せずに淡々としている者が最後には勝つ 第 2,925 号

 あなたを振り回す厄介な「アホ」とどう向き

合うべきか?世界で活躍する著者が、実践的

な「アホ対策」を伝授。他人に振り回され

ず、自分の人生を取り戻すための戦略書。

 議員をやめて、国内外の国際会議に出て、大事

を成す人々に大勢会った。こういう経験から

確実に言えるのは、頭のいい人は世の中に

掃いて捨てるほどたくさんいるという

ことだ。真の叡智、他者から抜きん

出るための人生最高価値は、単

なる頭の回転ではない。記憶

力や発想力だけではないのだ。

 事を成すために、経営者だろうが、学者だろう

が、政治家だろうが、行政官だろうが、必要な

能力がある。それは「相手の気持ちを見抜

く力」だ。この能力を持つ人が一番賢い

人であり、この力さえあれば、あなた

の人生は「鬼に金棒」である。

 人相はとても大事。顔は最大の情報発信源で

あり、情報の宝庫である。目に宿る精気や

左右の表情のバランス、笑顔の様子や

目も笑っているかなど、顔はその人

の心が最も表れやすい場所なのだ。

 淡々とこなす者が最後には勝つ。

得意淡然、失意泰然。

 尊敬する先輩は数あれど、その中でも筆頭は、

参議院自民党のドンと言われた大物議員、

青木幹雄さんだ。

 特に、印象に残っているのは、「物事に一喜

一憂せずに淡々としている者が最後には

勝つ」という教えだ。

 当初、私は常に無表情でメディアには答えない

青木先生に物足りなさを感じた。しかし、今

ではあの淡々としていて飄々としている

ところが一番の強さだと思っている。

政界を離れた今でも失われること

のない青木先生の力の源泉は、

この淡々としたところだろう。

 ちょっとメディアに取り上げられ、バライティ

番組や討論番組に出ていた私を青木先生は快く

思っていなかった。「そんなことで目立っ

ても政界での力とは関係ない。メディア

に利用されて足をすくわれることに

なる」と注意された。

 青木先生はあれだけ有名でもメディアには決し

て出なかったし、いつも多くのマイクを向け

られていたが、それを取り払うようなこと

はされず、むしろ丁寧な対応ながら何も

答えなかった。

 あの安定感こそが長期にわたって力を持つ秘訣

だと思う。政治家として目立とうとせず、一切

メディアにも出ず、決して贅沢もしない。挨

拶では無駄な話も自慢もない。時の権力

の攻防が決着をつける落としどころ

こそが、日本の針路であると達観

されていたのかもしれない。

 また青木先生からは、「君がいくらある分野

ですぐれていても、だからこそ、先にそうで

ない人をみんな行かせて(出世させて)か

ら君が行けばいい。君はみんなを待って

もまだまだ若いほう。そうやっていけ

ば最後は皆がかついでくる」と教わった。

 得意淡然、失意泰然で淡々と、男の嫉妬に気

をつけながら、「待つこと」「耐えること」

に、「戦うこと」以上に価値を置いて人生

を使い切っていこう。

 テレビやスマホやタブレットも1日の使用時間

を制限し、情報や知識はスクリーンより紙の

印刷物から得るようにする。電子情報は早

くて便利でありがたいが、それだけだと

なかなか自分の中に入っていかない。

新聞や本のような、紙の手触りや

厚みや重み、匂いやシミや汚れ

などの複合情報も同時に入っ

てくる媒体のほうが、情報

は自分の中に入ってきやすい。

田村 耕太郎 (著)『頭に来ても

         アホとは戦うな』

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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