著名な企業と慈善団体の設立者でありながら、
その生涯は多くの謎と沈黙に包まれている
ロックフェラー。南北戦争直後にアメ
リカ人の生活を一変した資本主義
革命を誰にもまして体現して
いた大企業家の実像に迫る。
ジョン・デイヴィソン・ロックフェラー・
シニアの生涯は、多くの謎と沈黙に包ま
れている。当時としては最大級の企業
と慈善団体の設立者でありながら、
彼自身の人物像はとらえどころがない。
たくみに素顔を隠しつづけた彼の人生は、
さまざまな仮面でカムフラージュされ、
幾重もの神話のとばりに包み隠されていた。
学芸員が、1917年から20年にかけて
ロックフェラーがプライベートで
行ったインタビューの記録が
あると教えてくれた。
インタビュアーはイングルズという
二ューヨークの新聞記者で、ロック
フェラー家公認の伝記を書くため
にインタビューをしたが、結局
伝記は出版されなかった
とのことだった。
このロックフェラーの言葉そのままを書き
記した700ページにもおよぶ記録を
読んで、私は驚いた。
寡黙で中身のない男というレッテルが
貼られているはずのロックフェラーは、
実は、物事を分析する能力に長け、
考えを明確に言葉にすること
ができるばかりか、気性が激しく、
さらには、非常にひょうきんな面もあり、
中西部風の乾いたユーモアの持ち主だった。
これまでどの伝記を読んでも、このような
人物として描かれてはいなかった。
私は帰宅後、ランダムハウスの担当編集者
に、ぜひとも書きたいと思うと告げた。
ロンチャーナウ『タイタン、上巻。ロック
フェラー帝国を創った男』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!