人生に苦しみはつきものです。
しかし、その苦しみをきっかけとして人は
幸せの本質を知ることにもなります。
ある男性のエピソードにそのことを学びます。
───────「今日の注目の人」───
☆ 幸せは既に与えられている ☆
鈴木 秀子
(国際コミュニオン学会名誉会長)
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人間の苦しみについて考える上で、ある
男性社長の話を紹介しましょう。
その社長は恵まれた家庭に育ち一流の大学
へと進みますが、自分は何のために生きて
いるのかという問題に直面し、一時は
自殺寸前に追い込まれるなど
辛い青年期を過ごします。
悶々とした気持ちを抱えながら、彼は知的
障碍の少年たちが活動している施設で
働くことになりました。
お昼の休憩時間、新しくスタッフとなった
彼の周りに少年たちが集まってきて
「○○さんはどういう人?」
「どうして、ここに来たの?」
などといろいろな質問をしました。
「何をしていても面白くないし、嫌なこと
ばかり続いて、生きているのも嫌で
死んでしまいたい時もあるんだ」
無垢な少年たちに心を開いたのでしょう。
彼はそれまで誰にも話さなかった心の内
を思わず正直に吐露しました。
すると、彼の話を熱心に聞いていた少年の
一人が目を輝かせながら、「じゃあ僕たち
のほうが、よほど幸せなんだね」
と答えたというのです。
このひと言は彼に大きな衝撃を与えました。
そして人間の幸せとは自分の思うとおりに
なることではなく、既に与えられている
もので、それが見えるか見えないか
は自分の心次第だと気づかされるのです。
不満や不安などによって目が覆われていた
ために、幸せの本質が分からないまま
生きてきた自分を恥ずかしく
思ったといいます。
彼は少年を迎えに来た母親に……、
※幸せとは何かを教えてくれる
鈴木秀子さんの話は、
『致知』で好評連載中です。
『致知』2017年5月号
連載「人生を照らす言葉」P106
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!