生きていく中で”見えるか見えないか”は 自分の心次第だと気づく 第 631 号

 人生に苦しみはつきものです。

 しかし、その苦しみをきっかけとして人は

幸せの本質を知ることにもなります。

 ある男性のエピソードにそのことを学びます。

───────「今日の注目の人」───

☆ 幸せは既に与えられている ☆

鈴木 秀子
(国際コミュニオン学会名誉会長)

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 人間の苦しみについて考える上で、ある

男性社長の話を紹介しましょう。

 その社長は恵まれた家庭に育ち一流の大学

へと進みますが、自分は何のために生きて

いるのかという問題に直面し、一時は

自殺寸前に追い込まれるなど

辛い青年期を過ごします

 悶々とした気持ちを抱えながら、彼は知的

障碍の少年たちが活動している施設で

働くことになりました。

 お昼の休憩時間、新しくスタッフとなった

彼の周りに少年たちが集まってきて

「○○さんはどういう人?」

「どうして、ここに来たの?」

などといろいろな質問をしました。

 「何をしていても面白くないし、嫌なこと

ばかり続いて、生きているのも嫌で

死んでしまいたい時もあるんだ」

 無垢な少年たちに心を開いたのでしょう

 彼はそれまで誰にも話さなかった心の内

を思わず正直に吐露しました。

 すると、彼の話を熱心に聞いていた少年の

一人が目を輝かせながら、「じゃあ僕たち

のほうが、よほど幸せなんだね」

と答えたというのです。

 このひと言は彼に大きな衝撃を与えました。

 そして人間の幸せとは自分の思うとおりに

なることではなく、既に与えられている

もので、それが見えるか見えないか

自分の心次第だと気づかされるのです

 不満や不安などによって目が覆われていた

ために、幸せの本質が分からないまま

生きてきた自分を恥ずかしく

思ったといいます。

 彼は少年を迎えに来た母親に……、

幸せとは何かを教えてくれる

鈴木秀子さんの話は、

『致知』で好評連載中です。

 『致知』2017年5月号

         連載「人生を照らす言葉」P106

今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。感謝!

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