生きていることは当たり前じゃない 第 2,714 号

女優として活躍される安奈淳さんと
音無美紀子さんは、共に様々な
難病を克服しながら歩んでこられました。

「病があるからいまがある」と明るく話される
お2人の生き方から、
試練に直面した時の心の姿勢を教えられます。

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(音無) 
私たちは共に病気や
それに伴ううつ病を経験しているけど、
美樹ちゃんの場合は幾つもの病気を
患っていますよね。

(安奈)
30代でC型肝炎や髄膜炎、
40代で指先が真っ白になるレイノー症状、
手首や指が腫れる全身関節痛に悩まされて、
一番大変だったのが50代の時の
全身性エリテマトーデスと呼ばれる
膠原病の一種の難病です。

この話をし出したら3日くらいかかるけど(笑)、
でもさっきも言ったように
人間って嫌なことを忘れる
優れた才能を持った生き物なんですね。
ものすごく大変でしたけど、
半分くらいは忘れていて、
一番辛かった時の記憶は
断片的にしかありません。

とにかく周りに迷惑をかけられないから
休んじゃいけないと思って、
不調を我慢して我慢しているうちに
病が進行し、
2000年、53歳で緊急搬送された時は、
心臓や肺など体中に水が溜って、
あと1時間遅かったら呼吸ができず
確実に死んでいたと言われるほどでした。

いま考えたらバカだなと思うんだけど、
体中が浮腫んで、
足は象の足のように膨れ上がって
靴が入らないのに、
普通の衣装は着られないから
着物と草履でごまかしながら
舞台に立ち続けていました。

(音無)
私それすごくよく覚えてる。
ディナーショーか何かに出演していた
美樹ちゃんをエレベーターの前で待っていたら、
美樹ちゃんが「靴が履けないのよ~」
なんて言いながら現れて、
ソファーに持ち上げた足を見て、
「えっ、こんなに腫れるの?」
と驚いたんです。

(安奈)
そんなことがあったことも
もう忘れちゃってる。
何しろ電柱みたいな足をしてたし
顔も浮腫んで目も開けられなかったから。

緊急搬送されて、十日間かけて
体中にたまった水を徐々に抜いたら、
それまで60キロあった体重が
38キロになっていました。

(音無)
それだけ体の中に水が。

(安奈)
もう溺れてアップアップしている感覚。
何度も危篤状態になって、
「余命は三日」
「お葬式の用意をしてください」
とまで言われていたようです。

全身性エリテマトーデスと診断されても、
いまでも原因不明の難病なので、
的確な治療法が確立されておらず、
まな板の上の鯉のように
先生方にされるがままでした。

(音無)
闘病はどのくらい続いたの。

(安奈) 
2か月入退院を繰り返して、
仕事復帰ができたのは1年半後。
でもその間に薬の副作用でうつ状態になって……

★この対談では
「歌う意味を見出し再び舞台へ」
「自分で治りたいと思わない限り、
心の病は治らない」
「苦しい闘病体験が教えてくれたもの」
「生きていることは当たり前じゃない」
などの話題ついても語られています。

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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