田中角栄の秘書となり、政治の舞台裏で活躍
するまでを語るとともに、角栄から学んだこ
と、自ら学んだこと、様々な人生哲学を披
露する。人生の辛酸をなめた中から学ん
だことが分かりやすい言葉で語られ、
実に実際的で役に立つ。生きてい
くための知恵として最後に載っ
ている40の言葉「朝はきげんよくしろ、人には
腹を立てるな、恩には遠くから返せ」は簡単
であるが含蓄の深い言葉である。
上等な人間の条件は失敗はイヤという
ほど、したほうがいい。
死にさえ至らなければ、何回も繰り返し
ひどい目に遭ったほうがいい。やけど
もしたほうがいい。
五針も十針も十五針も縫うような大けが
をしたほうがいい。
そうするとバカでないかぎり、骨身に染みる。
次回から不必要なリスクを避けるために
どうしたらいいか、反射神経が身につい
てくる。判断力、分別ができてくる。
これが成長の正体だ。
最初からスマートな紳士になる必要はない。
トゲのある門松を潜っていくうちに、人の
重心は低くなる。人柄に年輪が刻まれる。
足の裏が地べたについて、爪先立ち
をしなくなる。
修羅場を潜り、死線を越えて、情
が身につく。人間にとっていち
ばん大切なのは情だ。
知識、学問とは、身すぎ世すぎの
ためのパスポートにすぎない。
世間並みのレベルで結構だ
知識や学問が人間の将来を決める
のではなく、成功や不成功を
決めるのでもない。
肝心なのは知恵だ。生きるための知恵
である。そして知恵は経験から生ま
れる。経験で学ぶしかない。
若者は失敗を恐れてはいけない。
やりたいことをやることだ。
そして、どつかれ、こづかれけつまずき、
ひっくり返り、糞小便を浴び、人に裏切
られ、だまされ、カスをつかみ、「わ
れ、誤れり」と歯ぎしりをする。
それを繰り返しやって、たくましい、
しなやかな知恵を身につけることが
できる。この修羅の巷で生きて
いけるようになる。
出来上がりのワンセット、ワン
パッケージの知恵など、この
世には存在しない。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!