皆が反対することにこそ.未来を切り拓く宝が眠っている 第 2,093 号

日本最大のコンビニチェーン「セブン‐イレブン」
をゼロから立ち上げた鈴木敏文氏。

この挑戦を成功へと導いたものは何だったので
しょうか。鈴木さんにご自身の体験から掴んだ
成功の要諦、20代へのメッセージとは。

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〈鈴木〉
コンビニ事業の成功の根底には、常にお客様の
立場で考えるという変わらない視点があった。


「日々の仕事は与えられるものだから、挑戦は
できない」と考える人もいるかもしれないが、
そうではない。

仕事は皆に同じように与えられるからこそ、
自分から一歩踏み出す挑戦が必要なのである。

自発的に挑戦していると、必然的に仕事は面白味
を帯びてくる。言われたことだけをやっていたら
仕事がつまらないのは当然だ。

だからどんな仕事であれ、挑戦することが不可欠
だ。「こんな仕事は面白くない」、そうぼやく声
をよく聞くが、それは挑戦意欲がないからであり、
「自分は駄目だ」と公言しているのと同等である。

繰り返しになるが、世の中は常に変化していく。
故にその時代、その年齢に相応しい挑戦をして
いくことが大切だ。

例えば私は88歳になったけれど、「もう歳だか
ら駄目」なんてことはなく、「その歳なりに
挑戦することがある」と思っている。

中でも20代というのは、何にでも挑戦できる
最高の駆け出しの時期である。


責任ある立場でないからこそ、失敗を恐れず
挑戦してほしい。

勉強にしろ読書にしろ、恋愛事だってすべて挑戦
だ。だからこそ、20代はいろいろなことに興味
を持ってほしい。


セブン–イレブンはいまでこそ当たり前のように
お弁当やおにぎりを売っているが、当初は反対
の嵐だった。家庭でつくるものであるお弁当や
おにぎりをわざわざ店で買う人がいるのかと。


それでもコンビニ事業をスタートした時と同様、
信念を貫き通して1976年に開発を始めたところ、
確かに最初は一日に一店舗で2個か3個しか売れ
なかったが、いまではおにぎりは年間22億個も
も売れるようになっている。

常識を覆すことができたのである。

おでんの販売やプライベートブランドの開始、
セブン銀行の立ち上げなども同様だ。周囲
から「無理だ」と猛反対を受けながら
も常に挑戦し続けることで、道を
切り拓いてきた。


皆が一様に賛成することは挑戦する価値のない
ことであり、皆が反対することにこそ、未来
を切り拓く宝が眠っている。つまり、困難
の中にこそ挑戦する価値があるのである。


信念を持って挑戦し続けていると、
世の中の常識のほうが変わっていくものだ。
それがビジネスの第一線を走り続けて
きた私の実感である。 


(※記事は月刊『致知』2021年4月号
連載「20代をどう生きるか」より一部
抜粋・編集したものです)

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 今回も最後までお読みくださり、

   ありがとうございました。感謝!

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