益はなくとも.意味のある生き方をする 第1,726号

 益はなくとも、意味のある生き方を。イエ

ローハット創業者の仕事と人生の集大成。

掃除の実践を通して、仕事と人生を

切り拓いてきた。次世代 に

託すメッセージ。

 かっての日本人は、今日のような、目先の

利益だけを追い求める、「今だけよければ、

自分だけよければ」というような自己中

心的な生き方を「はしたない、浅まし

いもの」とし、「損得」よりも「善

悪」を、「私」よりも「公」の利

益を、自らの行いの判断基準と

して重視していたように思われます。

 それが社会や国家を守る、最善のしきたり

であるということを、すべての人が

知っていたからです。

 それは日本人の祖先が、何千年もかけて、

自分の血と汗を注ぎ込んで育んできた

ものに違いありません。

 ですから、せっかく私たちの祖先が残して

きてくれたものを、私たちの世代で失って

しまっては、先祖に対しても、後世の人

たちに対しても、申し訳ないことにな

ってしまいます。なんとかして、後

世に伝えたい、それが私の願いです。

 「凡事徹底」の原点「こうすれば売れる」

「儲かる」という生き方には、違和感を

覚えます。多くの人たちがそのような

生き方をしてきたために、世の中が

悪くなっているのではないでしょうか。

 平成 5(1993)年11月に「日本を美しく

する会」を立ち上げました。私はずっと

掃除を続けてきましたが、掃除は誰

にでもできる当たり前のこと、

つまり凡事です。それを徹底してやる。

 「凡事徹底」を実践すると、人生も事業

も非常によくなると思っています。

 ある会社の社長さんが、自分の会社と工場

を一生懸命掃除したところ、ガラリ

と社風が変わりました。

 だいたい4から5年で償却して新品に取り換え

るという機械を13年も使うことができたの

です。まったく減価償却しきった機械

で仕事をしていますから、売上げ

が厳しい中でも利益が出ています。

 以前は自分の仕事さえ終われば、人が何を

していようがさっさと帰るという社風でし

た。それが今は、自分の仕事が終わって

も、ほかの人が残っていれば、その分

を皆で手伝って終わらせて帰ると

いう社風になりました。

 そして創意工夫で、業界の常識では「この

機械ではこれ以上のレベルの仕事はでき

ない」というほどの高いレベルの仕

事を、同じ機械で実現できる

ようになったのです。

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 今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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